矢吹可奈
ーーう、ううん…。
所恵美
おっ、目が覚めたみたいだね。ここは母艦内の治療室だよ。体はどう、どこか痛いとこない?
矢吹可奈
う…体中が、だるくて…重いです…。それにあちこちズキズキする…。
所恵美
ん～まあそりゃそうだよね。結構ハデにぶつけたみたいだし。でも大事なさそうで良かった。
所恵美
おっと、確か私たちって初対面だったよね。私はメグミ・トコロ少尉、衛生兵だよ。
矢吹可奈
カナ・ヤブキ少尉です。よろしくお願いします…。
所恵美
…大変だったね。よく無事に帰ってきたもんだよ。しばらく安静に…。
矢吹可奈
違います…ガナハ隊長が、命をかけて逃がしてくれたんです。私は何もできなかった…!
所恵美
…キミさ、ガナハ中尉が亡くなったのは自分のせいとか考えてない?それは大きな間違いだよ。
所恵美
初陣でほとんど戦闘経験もないのに、いきなり大ボスを相手にするなんてどだい無理な話さ。
所恵美
中尉が命をかけて逃がしてくれたんだ。こうして無事に帰れただけでも誇っていいと思うよ?
矢吹可奈
…そうでしょうか。私には、とてもそうは思えません。隊長を犠牲に私だけ生き残ったなんて…。
所恵美
あっ、こら!まだ傷が完治してないのに動いちゃダメだよ!今はベッドで横になって…。
矢吹可奈
大丈夫です…。少し、ひとりにさせてください…。
所恵美
…ありゃりゃ。完全に参ってるみたいだね。ああやって思い込んじゃうのが一番マズいんだけど…。
舞浜歩
ヤブキ少尉もガナハ中尉も悪くないよ。もとはといえば、アタシがヘマしたから…。
所恵美
なんだ、起きてたの?一言声かけてあげればよかったのに。
舞浜歩
どの面下げて会えっていうのさ。アタシが不用意に潜入しなければこんなことには…。
所恵美
やめなよ、マイハマ中尉までそんなこと言うの。誰も悪くないよ、誰も…。
所恵美
…うん?上層部からマイハマ中尉に通達だ、なんだろう…?
舞浜歩
上層部から?このタイミングってことは降格処分か。ハハッ、むしろありがたいくらい…。
所恵美
…いいや。敵の重要施設を発見・破壊した功績を評価し、大尉に昇格…だってさ。
舞浜歩
…嘘、だろ。昇格だと!?ふざけるな、ガナハ中尉が犠牲になってるんだぞ!?
所恵美
お偉方の考えはよくわからないね…。この件に関して苦情も一切受け付けないって。
舞浜歩
マイガー!こんなことで昇進したって全っ然嬉しくないよ!ちくしょう……ちくしょう!!
所恵美
(抱えてた傷に塩を塗り込まれたって感じかな。マイハマ中尉、いや大尉も復帰は難しそうだね…)
所恵美
(ガナハ中尉。あなたが抜けた穴は、自身が思ってたよりも遥かに大きそうだよ…)
(台詞数: 27)