
馬場このみ
──昨日の夜のこと。私の一人暮らしのマンションに、まつりちゃんが突然やってきた

徳川まつり
「このわんだほーな日常を壊す感じで申し訳ないのですが」

馬場このみ
?どうしたのまつりちゃん。酔っぱらってるの?

徳川まつり
「大きな災いがやってくるのです」

馬場このみ
…え、何言ってるの?ネットとかのデマの話じゃなくて?

徳川まつり
「唐突でごめんなさい。でも本当のことなのです。この世界は近いうちに壊れるのです」

徳川まつり
「災厄は不意に襲ってこないのです。実際には予兆だって警告だってあるのですよ」

馬場このみ
まつりちゃんにしか見えない女の子と二人きりで向かい合っていて。

馬場このみ
…でも絶対こんなこと言わないよね、と思って。なんだか怖くなる。

馬場このみ
ねえ、まつりちゃん。──あなた、誰なの?

徳川まつり
「敢えて言うならば、姫は“警告”なのです」

馬場このみ
怖い。不思議なことが起こっている。

馬場このみ
──でも、それを覚えておくべきだった。

馬場このみ
不思議なこと、突飛なことなんていつでも起こりうる。

徳川まつり
「日常を過ごしている時に、予兆や警告の唐突さにどう向き合えるかが重要なのです」

馬場このみ
私の背中がぞくぞくする。まつりちゃん、絶対普通じゃない。おかしい。

馬場このみ
私の足が震え始めると、まつりちゃんが少し笑う。

徳川まつり
「では後は、このみちゃんにお任せしたのですよ。……ね?」

馬場このみ
そしてそのまますっと薄くなり、消える。

馬場このみ
──私は昨日の夜のうちに、ちゃんと伝えるべきだったのだ。

馬場このみ
もっと大きな声で叫ぶべきだったのだ。

馬場このみ
この世界がなくなるとか、劇場がなくなるとか、普通に生きててどうやって言うの?

馬場このみ
でももうそんな警告、届かない。伝わらない。運営そのものが今目の前で立ち上がる。

馬場このみ
─創造主ばかりが神ではない。

馬場このみ
自分の願いや祈りを聞き届け、叶えてくれる存在だけが神というわけでもない。

馬場このみ
大きな災厄がデータの洪水と似た形で運営から降りてきて。私たちには判る

馬場このみ
──畏れこそが神の本質なのだ、と。

馬場このみ
だから私たちは危害を加え、命を奪いに来るものに手を合わせ、膝を折り、拝み、祈る。

馬場このみ
イベントを走り、ガシャを回す。──でも、世界には寿命がある。

馬場このみ
なのに、私たちに任せても世界がダラダラと延命するだけなので。

馬場このみ
世界は強引にあいつらを召還する

馬場このみ
そのとき私たちは、全てが終わるべくして終わるんだと知る。

馬場このみ
でも私たちはひたすら生き続けたかった。この世界を終わらせたくなかった。

馬場このみ
──ところで、創造の神は七日間でこの世界を創ったらしい。

馬場このみ
私たちだってこの世にいろんなものを作ってきた。ドラマとかドラマとかドラマとか。

馬場このみ
こんなふうに一瞬にしていろいろ壊されてくように見えるけど、

馬場このみ
たぶん壊すほうにだって、同じくらい時間がかかるに違いない。

馬場このみ
炎が世界を壊すのに少しでも時間がかかるなら、それだけ逃げるチャンスもある。

馬場このみ
諦めるな。逃げろ。生き延びろ。新しい世界を自分で創ればいいんだ。

馬場このみ
世界の意思なんて知るものか。神の決めたルールなんて、構うものか

徳川まつり
「第一の週、プラチナガシャと新規イベントが消える。」

徳川まつり
「第二の日、全てのショップから限定セット販売がなくなる。」

徳川まつり
「第三の週、誕生日祝いと社長ミッションが壊され、オーディオルームがなくなる。」

徳川まつり
「第四の週、追加ボイスが消え、全てはミリオンジュエルに還る。」

徳川まつり
「第五の週、劇場も事務所も失せる。」

徳川まつり
「第六の週、データが消え、すべては闇と混沌に包まれる。」

徳川まつり
「第七の週、運営は仕事を終え、安息の喜びの中で静かに泣く。」

徳川まつり
「──これが、これから始まる火の2カ月間なのです。」

馬場このみ
終わる世界の中で、私以外の存在に希望を抱きながら、私は生き、逃げながら待っている。

馬場このみ
新世界。39プロジェクトの訪れの前の、巨大な炎がやってくる───
(台詞数: 50)