七尾百合子
昔々、とある平和な国に、それはそれは美しい女王様がいました。
七尾百合子
女王様は不思議な鏡を持っていました。何でも知っている魔法の鏡です。
七尾百合子
女王様は、いつもその鏡に様々なことを聞いていました。
徳川まつり
鏡よ鏡よ鏡さん。この世で1番かっこいい男の人は誰なのです?
真壁瑞希
はい。それは隣の国の王子様です。
徳川まつり
隣の国とは都合がいいのです!姫の旦那様にしてあげてもいいかもしれません!
徳川まつり
鏡よ鏡よ鏡さん。今この国の若い子に流行りのスイーツは何ですか?
真壁瑞希
はい。天海堂のふんわりショコラまんが、女子高生に好評のようです。
徳川まつり
家来に命じて買ってこさせるのです!
徳川まつり
それからそれから…。
七尾百合子
質問の内容は毎日違いましたが、最後の方は決まって同じことを聞いていました。
徳川まつり
この国の女王様は誰です?
真壁瑞希
それは、貴女です。
徳川まつり
この国で1番偉いのは誰です?
真壁瑞希
それは、貴女です。
徳川まつり
結婚したい女王様No. 1は誰です?
真壁瑞希
それは、貴女です。
七尾百合子
必ず聞くこと。それは答えが自分自身である質問でした。
七尾百合子
そして女王様は、いつも1番最後にする質問を、いつもと同じように鏡にしました。
徳川まつり
鏡よ鏡よ鏡さん…。
徳川まつり
世界で1番強いのは、誰です?
真壁瑞希
それは、貴女…
真壁瑞希
もしくは、白雪姫です。
徳川まつり
白雪姫?それは、数年前に魔獣の森に置いてきた、あの白雪姫なのです?
真壁瑞希
はい。魔獣の森で魔獣達を相手に、毎日牙を研いでいたようです。
真壁瑞希
また、森に住む7人の武術家に弟子入りし、厳しい修行に身を投じたとも。
真壁瑞希
今や地上最強の一角に足る存在…恐らくその実力は女王様に匹敵するほどでしょう。
徳川まつり
…………
徳川まつり
…………くくく。そうか、そうですか。
徳川まつり
ついに来ましたか…白雪姫!
徳川まつり
初めてあの子を見た瞬間!その時の感動は今でも覚えていますよ。
徳川まつり
いつかきっと、まつりを楽しませてくれると確信し、魔獣の森に置いて早数年…。
徳川まつり
魔獣を喰らい強くなると信じていましたが、まつりは間違っていなかった!
真壁瑞希
どうされるおつもりですか?
徳川まつり
果実は熟したのです!今こそ収穫の時!
徳川まつり
家来よ!収穫祭を始めるのです!戦闘装束(ドレス)を用意せよ!
徳川まつり
……ああ、それと。鏡よ鏡よ鏡さん。
徳川まつり
まつりと白雪姫…戦えばどちらが勝ちますか?
真壁瑞希
…勝敗はその時々の条件により変化します。それほど両者の実力は拮抗しています。
真壁瑞希
……ただ。
徳川まつり
ただ?
真壁瑞希
…私は、女王様の勝ちを信じています。
徳川まつり
……ありがとう。
真壁瑞希
御武運を。
七尾百合子
こうして、地上最強を決める戦いの火蓋は切って落とされました。
七尾百合子
2人の戦いは1週間続き、民は歓喜に震え、飲めや歌えの大騒ぎをしました。
七尾百合子
この時の騒ぎは、女王と姫の聖戦を讃える祭りとして、後世に受け継がれましたとさ。
七尾百合子
めでたしめでたし。
(台詞数: 48)