野々原茜
とある公園の片隅に小さな可愛いらしい猫ちゃんがいました。
野々原茜
私は毎日、その猫を見つけるたびに撫でて撫でて、可愛がりました。
野々原茜
ところがある日、その猫ちゃんはいなくなってしまいました。
野々原茜
その代わりに、小さな女の子がその場所に座っていたのです。
野々原茜
私はその少女に問いかけました。
野々原茜
「こんなところに一人でどうしたの?」
野々原茜
すると少女はこう言いました。
野々原茜
「お兄さん、私を撫でてくれませんか?」
野々原茜
私はその言葉に少し戸惑いながらも、少女の言う通り、撫でてあげました。
野々原茜
「えへへ、ありがとう。お兄さんは優しいね。」
野々原茜
そういうと少女はどこかへと行ってしまいました。
野々原茜
そして次の日、私はまたあの場所に行くと、少女が待っていたのです。
野々原茜
「えへへ、待ってたよお兄さん。」
野々原茜
そういうと少女はまた私にナデナデを要求してきました。
野々原茜
私は、また少女を撫でてあげました。
野々原茜
「ありがとうお兄さん。また明日ね。」
野々原茜
そういうと少女はまたどこかへと行ってしまいました。
野々原茜
その少女の言葉通り、次の日も、その次の日も、その場所には少女が待っていたのです。
野々原茜
そして私は、その少女が満足するまで、撫でて撫でて、撫で続けました。
野々原茜
雨の日も、風の日も、台風の日も、少女はそこで待ち続けていたのです。
野々原茜
そしていつの間にか、私はその公園に足を運んで少女を撫でるということが日課になっていました。
野々原茜
しかし、そんな日常も、ふと終わりを迎えようとしていたのです。
野々原茜
私はいつものようにあの公園に立ち寄り、少女の頭を撫でました。
野々原茜
そしていつものように、また明日ねと少女は言ってくれる…はずでした。
野々原茜
「今日まで毎日私のことを撫でてくれてありがとう。」
野々原茜
「お兄さんの愛情、ちゃんと覚えたからね。これでもう安心だよ。」
野々原茜
そういうと少女はどこかへと消えていったのです。
野々原茜
私は不思議に思いましたが、また明日行けば会えるだろうと思っていました。
野々原茜
ところが、次の日も、その次の日も、少女は姿を現しませんでした。
野々原茜
あの少女はどこへ行ってしまったのだろう…
野々原茜
あの少女はどこへ行ってしまったのだろう…そう思ったときでした。
箱崎星梨花
「みゃあ~」
野々原茜
その声はまだ小さくて、か弱い声でしたが、私にははっきりと聞こえたのです。
野々原茜
小さな子猫。その近くには親猫と思われる猫ちゃんもいました。
野々原茜
その親猫は、子猫の頭をペロッと下で優しく舐めました。
野々原茜
その姿はまるで、かつて私が少女に撫でてあげた撫で方に似ていたのです。
野々原茜
子猫は気持ちよさそうに親猫に体を委ねてました。
野々原茜
そしてその親猫は私の元へと近づき
野々原茜
「にゃあ~♪」
野々原茜
っと、まるで私にお礼を言うかのように鳴くと、子猫を連れてどこかへと行ってしまいました。
(台詞数: 40)