天空橋朋花
「この部屋で待っていてください~。一応、設備をチェックしてくるので~」(パタン)
二階堂千鶴
「ここは………どなたかの私室でしょうか…?」
箱崎星梨花
「どうやら、博士の書斎みたいですね。研究所にこんな部屋があったなんて…」
二階堂千鶴
「え、セリカさんもご存じなかったんですの?」
箱崎星梨花
「実は私、研究所に来るのは初めてなんです。世界樹に移された後に目覚めたので…」
箱崎星梨花
「だから、大陸から何百キロも北の海上にあるなんてことも知りませんでした」
二階堂千鶴
「本当、どうしてこんな遠くに………あら?」
箱崎星梨花
「どうかしましたか?」
二階堂千鶴
「いえ……机の上に手紙が置きっ放しに………天使も手紙のやりとりなんてするんですのね」
箱崎星梨花
「へ?博士は天使じゃないですよ?」
二階堂千鶴
「いえ、この宛名………“トモカへ”って…」
箱崎星梨花
「え!?ちょ、ちょっと見せてください!」
箱崎星梨花
「………この字……間違いありません、博士の字です。データと一致します」
二階堂千鶴
「つまり、その博士さんがトモカさんへ当てた手紙ということですのね」(クルッ)
二階堂千鶴
「封が開いていますし、もう読まれた後………え!?」
箱崎星梨花
「は、“母より”…!?」
二階堂千鶴
「その……アンドロイドでも産みの親のことを“母”と呼ぶのでしょうか…?」
箱崎星梨花
「いえ、他の天使もみんな“博士”と呼んでいました………トモカさんも…」
二階堂千鶴
「で、では、わざわざ“母より”と書かれているのは…」
箱崎星梨花
「トモカさんは………博士の実の娘…?」
天空橋朋花
「他人の手紙を許可なく見るのは感心しませんね~」
箱崎星梨花
「と、トモカさん!?ごめんなさい、つい…」
天空橋朋花
「いえ~、どのみちソレを見せるつもりで連れてきましたので、かまいませんよ~」
二階堂千鶴
「で、では……中を読んでも…?」
天空橋朋花
「どうぞ~」
二階堂千鶴
(ガサガサ)「“トモカへ 貴女がコレを読んでいるということは”…」
天空橋朋花
《貴女がコレを読んでいるということは、既に私はこの世を去っているのでしょう》
天空橋朋花
《そして、私の計略が成功していれば、神王も既に亡き者となっていると思います》
箱崎星梨花
「えぇ!?あ、ごめんなさい、続けてください…」
天空橋朋花
《このような形で手紙を残したのは、貴女に伝えなければならないことがあるからです》
天空橋朋花
《貴女のことは、他のアンドロイドの子達と同じ様に接し、育ててきましたが…》
天空橋朋花
《貴女は私がお腹を痛めて産んだ実の娘……胎児の段階で天使の核(コア)を埋め込まれ…》
天空橋朋花
《この世界で唯一、生まれる前に天使となった人間なのです》
箱崎星梨花
「う、生まれる前に『天使の核(コア)』を…?」
二階堂千鶴
「『天使の核』というのは、何なのですか?」
箱崎星梨花
「えっと……私達天使を“天使たらしめているもの”と言えば良いでしょうか…」
天空橋朋花
「すみません~、詳しい原理は当時の科学者達にしかわからない難解なものなのですよ~」
二階堂千鶴
「な、なるほど……今はとにかく“そういうもの”と思っておけば良いのですね…」
天空橋朋花
《どうして、このことをずっと隠していたのか……正直に白状しますと…》
天空橋朋花
《最初は私自身の過ちを隠すためでした。どんな過ちかは、相手の立場もあるので言えません》
二階堂千鶴
「って、ほとんど言ってるようなものでは…」
箱崎星梨花
「そういえば、博士は記録では未婚だったはず……相手というのは…」
二階堂千鶴
「それ以上はいけませんわ」
天空橋朋花
《しかし、貴女も知っている通り、ユキホちゃんの事件から神王は周りの人間を誰も…》
天空橋朋花
《信用しなくなり、少しでも疑わしければすぐに罰するようになりました》
天空橋朋花
《貴女のことを知られてしまえば、貴女も例外ではなくなる…》
天空橋朋花
《私には、秘密を隠し通すことでしか貴女を護る術はありませんでした》
天空橋朋花
《このような形でしか真実を伝えられない、不甲斐ない私を許してください》
天空橋朋花
《貴女には母親らしいことは何もしてあげられませんでしたが…》
天空橋朋花
《せめて、平和になった世界を自由に羽ばたいてください 母より》
(台詞数: 50)