七尾百合子
3.2.1……アクション!
高山紗代子
おかえりなさい、百合子。あれ?星梨花ちゃんは?
七尾百合子
ちょっとお願い事をしてて……。しばらくしたら戻ってくるはずです。
高山紗代子
そう。おはぎはちゃんと食べられた?
七尾百合子
いえ、まだです。
高山紗代子
あれ?結構時間がかかってたから、もう謎は解いちゃったんだと思ってたけど。
七尾百合子
おはぎの謎は解きました。でも、新たな謎を仕組んだ犯人はまだ分かっていないんです。
高山紗代子
新たな謎……キーワード以外に何かあったの?
七尾百合子
……はい、実は……
七尾百合子
……はい、実は……というわけなんです。
高山紗代子
台本がないとはいえそんなイレギュラーなことが起こるなんて……
七尾百合子
……紗代子さん、私がここに戻ってきたのには理由があります。
七尾百合子
今回の謎「誰がおはぎを隠したのか」を解くには一つ大きなポイントがあるんです。
高山紗代子
大きな、ポイント?
七尾百合子
はい。それは「いつ、おはぎが隠されたか」です。
七尾百合子
ロコちゃんはおはぎが入っているのを見たと言っています。よって、隠されたのはその後です。
高山紗代子
誰かが、例えば、知らない人がこっそり侵入してきたのかな?
七尾百合子
いえ、ドアはガラガラと音が鳴るタイプです。誰かが入ってくれば分かります。
七尾百合子
そして、あの部屋は密室でした。ドア以外からは入れません。
七尾百合子
さらに、ロコちゃんは誰も疑いませんでした。つまり、怪しい人間は来なかったということ。
七尾百合子
逆に言えば、犯人はこのドラマ関係者に絞られます。
七尾百合子
しかし、昴さん、美希さん、伊織さん、朋花さんは除外されます。部屋に来たら怪しまれますから。
七尾百合子
つまり……その……
高山紗代子
……私なら、スタッフ側の人間だから怪しまれないで済むね。
七尾百合子
……正直に答えてください。紗代子さんはロコちゃんの部屋に行きましたか?
高山紗代子
……
高山紗代子
……行ってないよ。天地天命に誓ってね。
七尾百合子
良かった。どうやら謎が解けそうです。あとは……
箱崎星梨花
百合子さん、戻りました!
七尾百合子
星梨花ちゃん、どうだった!
箱崎星梨花
はい。百合子さんの言ったとおり、ロコさんにおはぎを渡したのはあの人です。
箱崎星梨花
あと、アレも見つかりましたよ。ロコさんびっくりしてました。
七尾百合子
やっぱり!ありがとう、星梨花ちゃん!これで手がかりは全部そろったよ。
箱崎星梨花
ということは……
七尾百合子
うん、名探偵!推理完了です!!犯人はこの部屋の中にいます!
高山紗代子
ええっ?この部屋にいるって……。
七尾百合子
紗代子さん、私はまだ犯人から除外される条件を一つ伝えていませんでした。
七尾百合子
それは、この謎解きがドラマだということです。
高山紗代子
ドラマ?それが何の関係が……
七尾百合子
ドラマである以上、登場人物である私と星梨花ちゃんはずっとカメラに映されます。
七尾百合子
つまり、私たちキャストにも犯行は不可能。よって、消去法で残された一人が犯人となります。
高山紗代子
消去法って、この部屋には私たち以外、誰も……。
箱崎星梨花
紗代子さん、よーく見てください。もう一人いるはずです。
高山紗代子
もう一人……ああっ!!
七尾百合子
そう。私たちと常に行動し、怪しまれずにロコちゃんの部屋にはいれた人物。
七尾百合子
そして、決してカメラに映ることがなく、こっそりと犯行に移れた人物……
七尾百合子
犯人は、監督兼カメラマンの松田亜利沙さん!あなたです!!!
(台詞数: 47)