箱崎星梨花
他所の事務所からお引越しを済ませた桃子ちゃん。
箱崎星梨花
でもちょっぴし不安そうです。
箱崎星梨花
これから先、どうなるのかわからなくて不安なんでしょうか?
箱崎星梨花
それとも、事務所にいる先輩や、歳の近い他のアイドルの子と仲良くできるのかわからなくて…
箱崎星梨花
緊張しているんでしょうか?
箱崎星梨花
わたしは、少し塞ぎ込み気味の桃子ちゃんに、声をかけてみます。
箱崎星梨花
「あの…桃子ちゃん」
周防桃子
「なに?」
箱崎星梨花
「今日は事務所にいないですけど…わたしたちと年齢の近い子もいるんですよ!」
周防桃子
「そうなんだ」
箱崎星梨花
「とてもいい子なので、今度紹介しますね」
周防桃子
「うん!」
箱崎星梨花
あ、いまのいい笑顔です。
箱崎星梨花
一瞬だけ見せてくれたその表情に、わたしは舞い上がります。
周防桃子
「星梨花はその子と仲がいいの?」
箱崎星梨花
「もちろん!」
箱崎星梨花
「とっても仲良しですよ…えへへ」
周防桃子
「桃子も、仲良くしてもらえるかな…」
箱崎星梨花
さきほどの笑顔とは対照的に、とても不安そうな表情を浮かべ、ボソッと呟きました。
箱崎星梨花
わたしはつかさずこう言いました。
箱崎星梨花
「下を向いてちゃダメッ!上を向かないと、上にいけないんだよ」
周防桃子
「えっ」
箱崎星梨花
「これ、その子が言っていた言葉なんです」
周防桃子
「そうなんだ…」
箱崎星梨花
「ちゃんと顔をあげて、顔を見て話してあげれば、すぐお友達になれますよ、ね?」
周防桃子
「そうだよね!!」
周防桃子
「星梨花…」
箱崎星梨花
「はい?」
周防桃子
「なんか、ありがと」
箱崎星梨花
「どういたしまして…ペコリ」
周防桃子
「不安だったけど、おかげで少し和らいだよ」
箱崎星梨花
「それはよかったです」
箱崎星梨花
「あのっ!」
周防桃子
「なに?」
箱崎星梨花
「さっき口ずさんでいたあの歌、また歌ってくれませんか?」
周防桃子
「あの歌って…車の中のやつ?」
箱崎星梨花
「はい」
周防桃子
「そんなに聞きたいの?」
箱崎星梨花
「はい!」
周防桃子
「わかった、そこまで言うならしょうがないから歌ってあげる」
周防桃子
「それじゃ、いくよ?」
箱崎星梨花
"スーパースターになったら"
箱崎星梨花
この歌を口ずさんでいる時の桃子ちゃんはとっても笑顔なんです。
箱崎星梨花
さっき一瞬見せてくれた笑顔をずっと見せてくれる。
箱崎星梨花
それを引き出せるほどの魅力が、きっとこの歌にあるんだって思います。
箱崎星梨花
だから心地よくて、何度も聞かせてほしいとお願いしたくなります。
箱崎星梨花
ほんとは誰の歌なのかは知らないし、聞くつもりはないです。
箱崎星梨花
この歌はまるで一筋の光だ。
箱崎星梨花
いつかこの歌を作ってくれた人にお礼がしたいです。
箱崎星梨花
そんな風にさえ思えてしまいます。
(台詞数: 50)