ただ見つめるモノ
BGM
TOWN_RMX
脚本家
ヒデ
投稿日時
2017-01-02 22:57:37

脚本家コメント
よく分からないホラー物です。

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箱崎星梨花
「どうしよう…どっちに行ったらいいのか分かりません」
箱崎星梨花
今、わたしは雪山でひとりぼっちです。
箱崎星梨花
どうしてこんな事になっているかと言うと…
箱崎星梨花
「お正月に雪山登山ですか?はい、是非してみたいです!」
箱崎星梨花
麗花さんに誘われた雪山登山。前に麗花さんとした登山は苦しかったけどとても楽しかったです。
箱崎星梨花
だからその時の体験をもう一度したくてお誘いを受けました。
箱崎星梨花
だからその時の体験をもう一度したくてお誘いを受けました。けど…
箱崎星梨花
「うぅ…吹雪がひどくて何も見えません」
箱崎星梨花
…初めての雪山登山を甘くみていました。
箱崎星梨花
前回の登山と違い、体力の消耗が半端なく…みるみる麗花さんから引き離されてしまいます。
箱崎星梨花
もちろん麗花さんはわたしを気遣い、待っていてくれたりこまめに休憩を取ってくれましたよ。
箱崎星梨花
だからわたしも何とか麗花さんについて行く事が出来ました。
箱崎星梨花
ですが…事態は急変しました。天候が悪化し吹雪いて来たのです。
箱崎星梨花
たちまち視界はゼロになり…わたしは麗花さんを見失いました。
箱崎星梨花
それどころか自分がどこを歩いているのかも分からなくなり…現在に至ります。
箱崎星梨花
「寒い…どこかに休めるところは…」
箱崎星梨花
もうどのくらい彷徨い歩いているか分かりません。とにかく体力の消耗が激しいです。
箱崎星梨花
日が沈み辺りを暗闇が覆ったところからするとかなりの時間が経っているようですが…
箱崎星梨花
こんな時は歩き回らずにジッとしているのがいいのでしょうね?
箱崎星梨花
でも日帰り登山だったのでテントを持って来ていない為それも危険だと思い…歩みを進めています。
箱崎星梨花
「うーん、どこかにほら穴でもあればいいんですが…」
箱崎星梨花
そう思い辺りを見回した時です。
箱崎星梨花
「あれは…明かり?」
箱崎星梨花
かなり離れた場所に微かに明かりらしき光が見えた気がしたのです。
箱崎星梨花
もしかしたら山小屋があるのかもしれません。あるいは登山者かも…
箱崎星梨花
そう思った時にはそこに向かって全力で走り出していました。
箱崎星梨花
まだ自分にこんな体力が残っていたのか?と思うほどに…
箱崎星梨花
やがて…どのくらい走ったでしょうか。徐々に明かりは大きくなって来ました。
箱崎星梨花
そしていよいよ明かりが目前になり…
箱崎星梨花
そしていよいよ明かりが目前になり…それを見てわたしは絶句し立ち尽くしました。
箱崎星梨花
それは眼でした。
箱崎星梨花
わたしが明かりだと思ったものは宙に浮く巨大な眼だったのです。
箱崎星梨花
まぶたが無い…いわゆる眼球と呼ばれるものが光を発しながら浮いていたのです。
箱崎星梨花
そしてソレは息も絶え絶えに走って来たわたしをジーッと見つめていました。
箱崎星梨花
わたしはまるで金縛りにあったかのようにその視線から目を離す事が出来ず見つめ返していました。
箱崎星梨花
瞬きをする事も憚れるようなにらめっこはどのくらい続いたでしょうか…
箱崎星梨花
不意にソレはわたしから視線を外しました。その瞬間…
箱崎星梨花
わたしは奈落の底に落下しました。
箱崎星梨花
わたしはその時になって初めて立っていた場所が地面の無い空間…
箱崎星梨花
崖の上だったという事を知りました。
箱崎星梨花
つまりソレに見つめられていた間、わたしは何も無い空間を立っていたという事になります。
箱崎星梨花
何故そんな事が出来たのでしょう?
箱崎星梨花
落下しながらもそんな疑問が頭を巡っていると変わらず光るソレが視界に入りました。
箱崎星梨花
ソレは落下するわたしを見ていました。
箱崎星梨花
その眼には何の感情も浮かんでいません。ただただわたしを見ているだけです。
箱崎星梨花
ソレには今のわたしはどう見えているんでしょう?
箱崎星梨花
新たな疑問が頭に浮かんで来ました。
箱崎星梨花
でもその疑問の回答が出る事は無いでしょう。…絶対に。
箱崎星梨花
何故なら…
箱崎星梨花
グシャリという鈍い音がした瞬間、わたしの思考が途切れたからです。

(台詞数: 50)