宮尾美也
そしてなんとその時に、
宮尾美也
猫さんが寝転んだんです。
箱崎星梨花
それは……
箱崎星梨花
とっても趣深いお話です。
宮尾美也
喜んでもらえて良かったです〜。この話はどこの劇場でも評判良くて。
箱崎星梨花
劇場?もしかして芸人さんか役者さんなんですか?
宮尾美也
そんな感じですね〜。
箱崎星梨花
私あんまり外に出ないので、旅人さんと会うことが無いんですけど。
箱崎星梨花
美也さんが私のお家まで迷いに来てくれて良かったです。
宮尾美也
このお屋敷とっても大きいですね。私の所とは大違いです。
宮尾美也
凄いですね〜。お家の中に教会があるんですか。
箱崎星梨花
前に住んでいた方がとても敬虔な方だったそうです。私はよく知りませんが。
箱崎星梨花
友達の無事を、ここで祈っているんですよ。
宮尾美也
どこか遠い所にいるんですか?
箱崎星梨花
いるというか、私が遠くにやっちゃいました。なんというか、魔が差して。
宮尾美也
ああ、ありますよね。そういう時。
箱崎星梨花
……何でもしてくれるんです、私の為なら。
宮尾美也
そうなんですか。
箱崎星梨花
だからちょっと、無理なお願いをしてしまいました。UMAの心臓を持ってきてって。
宮尾美也
ふむふむ。
箱崎星梨花
何でも、それを食べると死ななくなるんですって。そんな物あると思います?
宮尾美也
またまた〜。あるわけないじゃないですかそんなの。
箱崎星梨花
ね、普通信じませんよね。でも、その子何でも信じるから。
箱崎星梨花
それで私のことも、安心してくれるかなって。
宮尾美也
ふむふむ。
箱崎星梨花
……病気なんですよ。私。
宮尾美也
あら。
箱崎星梨花
もともと丈夫な方じゃ無かったんですけどね。どんどん体も動かなくなってきて……
宮尾美也
どこかで聞いたようなお話ですね。
箱崎星梨花
それを食べたら、あの子の中で私はもう大丈夫なんですよ。
宮尾美也
そう……
宮尾美也
そう……なっちゃいますね。
箱崎星梨花
実は私、悪い子なんです。嘘ばっかりついて。
宮尾美也
実は私も、今まであなたに嘘ついてました。
箱崎星梨花
え、そうなんですか?どれだろう。
宮尾美也
ここだけの話、死ななくなる心臓。本当にあるんですよ。
箱崎星梨花
本当ですか?
宮尾美也
何故なら私がそうだからです。さっきは誤魔化しましたけど。
箱崎星梨花
え、て言う事は静香さんが……
宮尾美也
戻ってきてますよ。私も連れられて来ました。静香さん、呼んできましょうか?
箱崎星梨花
いえ、もうお別れは済ませたので。それより、あなたが……
宮尾美也
はい、どうぞパクっと行っちゃってください。
箱崎星梨花
あの、本当に……私、死なないんですか。
宮尾美也
……はい。それはもう、たちどころに。
箱崎星梨花
……優しいんですね。美也さん。
宮尾美也
思った反応じゃないです。
箱崎星梨花
それは、皆静香さんってわけにはいきませんよ。
宮尾美也
でも、私は楽しみになりました。
箱崎星梨花
実は私もです。美也さん。
宮尾美也
最後まで、ずっと一緒ですね。
(台詞数: 50)