木下ひなた
今日はいい天気だねえ、ここんとこ雨続きだったから嬉しいよ。さ、お仕事行かねえと。
木下ひなた
ん、何かねこれは。えっと。
木下ひなた
お財布だべなあ、これ…
箱崎星梨花
(大変です、急いで落とした人を探さないと。今頃困ってますよ!)
木下ひなた
天使さん。だね、そいじゃあこの辺をぐるっと回ってみるべさ。
野々原茜
(おっととと、ちょい待ちちょい待ち~。)
木下ひなた
あ、悪魔さん。何か用事かい?
野々原茜
(大ありだとも。いいかい、都会ってのはそりゃもう世知辛いコンクリートジャングルだよ。)
野々原茜
(おまいさんが必死で持ち主を探した所で、せいぜい泥棒と間違われるのがオチってもんさ。)
野々原茜
(そんな割に合わない苦労なんざ願い下げだよ。悪魔ちゃんは断固反対だね、うんっ!)
木下ひなた
そ、そうかね。あたしは、都会もそう悪い人ばっかじゃないと思うけどねえ。
箱崎星梨花
(そうですよ、悪魔さんの言う事なんて聞いちゃダメです!)
野々原茜
(ふっふ~ん、いいのかい、悪魔ちゃんの言う事無視しちゃって。後悔するよ?)
木下ひなた
ど、どうしてだべ?
野々原茜
(むふふ。ひなたちゃん、今日のお仕事は何時からだったかな~?)
木下ひなた
あ…あと一時間しかないべ!
野々原茜
(そのとーり!早いとこスタジオ入りしないと、大変な事になるよ~?)
箱崎星梨花
(で、でもこのお財布の持ち主さんはきっと困って…)
野々原茜
(だからさあ。ここはもう、これしかないじゃん?分かってるんでしょ天使ちゃんも。)
木下ひなた
い、いったい何を企んでるんだべ?
野々原茜
(可愛い悪魔ちゃんは主張する!ズバリ、そのお財布は…)
野々原茜
(警察に届けちゃおう!イッツア丸投げ!)
箱崎星梨花
(そんな!すぐ近くに持ち主さんがいるかもしれないのに。)
木下ひなた
そ、そうだよ。天使さんの言う通りだべ、とりあえず探して見つかんなかったら警察に…
野々原茜
(甘いよ2人とも、コンビニプリンよりも甘い。お仕事の時間はどうすんのさ?)
木下ひなた
そ、それは…
野々原茜
(困ってる人を助ける為なら遅刻してもいいってのかい?そしたら別の人が困るんだよ。)
木下ひなた
で、でも。探したらすぐ見つかるかもしんねえし…
野々原茜
(そう言ってついズルズル探しちゃって、気が付いたら…なんて事になったらどうすんの?)
野々原茜
(さあさあ、何を悩むのさ。ほら、すぐそこに交番があるよ?ちょっと行って渡すだけだよ。)
木下ひなた
そ、そうだね。お仕事遅刻すっのはまずいよね…
箱崎星梨花
(ひなたさん…あなたはそれでいいんですか?)
木下ひなた
で、でも。お仕事遅刻するわけにはいかねえし。
箱崎星梨花
(交番になんてすぐは行かないもの ですよ、落とし主さんがずっと探してたらどうします?)
箱崎星梨花
(もしかしたら、今すぐ必要な物が入ってるかもしれないんですよ?)
木下ひなた
そ、それは困るよねえ。
野々原茜
(こらこら天使さん。遅刻してもいいって言うの?)
箱崎星梨花
(遅刻はダメです。でも、困ってる人をほっておくのはもっとダメです。)
箱崎星梨花
(ほんのちょっとだけですよ。案外簡単に落とし主さんが見つかるかもしれませんよ?)
木下ひなた
だ、だよねえ。ちょっとだけ探して、見つかんなかったら交番に行けばいいんだもんね。
野々原茜
(はあ、お人好しだね。そのちょっとがいつまでもなんて事になんないよう祈ってるよ。)
箱崎星梨花
(…それらしい人はいないですね。)
野々原茜
(だから言ったじゃんよ、そんな簡単に見つかるもんじゃ無いって。)
野々原茜
(さあさあ、約束通り交番だよ、これ以上やったら遅刻だよ~?)
木下ひなた
う、うん…あ、プロデューサー!迎えに来てくれたんかい?
木下ひなた
そうだ。あのね…
木下ひなた
ありがとうね、プロデューサー。あたしの代りに交番に届けてくれて。助かったよ。
木下ひなた
落とし主さんを探してたんだけんど、それらしい人がいなくて。困ってるだろうにねえ。
木下ひなた
え、そんな事考えるなんて優しいなって…
木下ひなた
そんな事ないべさ。あたしだって頭ん中で天使さんと悪魔さんが競ってたんだよ?
(台詞数: 50)