中谷育
(夕暮れ時、オレンジ色に染まる鳥居の前に私達は莉緒さんを呼び出していた)
百瀬莉緒
それで…私をこんな時間に急に呼び出しといて開口一番…お礼参りがしたい!?
百瀬莉緒
私、あんた達に仕返しされるようなことしたかしら?
箱崎星梨花
莉緒さん、お礼参りじゃないです…
箱崎星梨花
お百度参りです!!
百瀬莉緒
ああ、そっち!?
中谷育
ちなみにわたしが言い出しっぺです…えへへ♪
百瀬莉緒
育がお百度参りねぇ…
中谷育
何か不満?
百瀬莉緒
ううん、そんなことないわよ。
百瀬莉緒
まあ、どっちにしろお百度参りのお願いが叶ったら御礼参りはしないといけないわね。
中谷育
そうなの?
百瀬莉緒
当たり前じゃない!神仏に縋って叶った願いなら、お礼に参拝するのは当然よ。
中谷育
わかったよ!
中谷育
もしお願い事が叶ったら、わたし、御礼参りするね!!
中谷育
それで、駄菓子屋さんはお百度参り付き合ってくれる!?
百瀬莉緒
そうね…私には居酒屋が…あっ、いや、今日はたまたま、定休日な気がするから付き合ってあげる。
中谷育
やった~!!
箱崎星梨花
えっと…えっと…
中谷育
さっきからモジモジして、星梨花ちゃんどうかしたの?
箱崎星梨花
あの…わたし、なんだか混乱してきましたっ!!
中谷育
どうして?
箱崎星梨花
わたしが育ちゃんのお願い事を叶えてあげるって言って…
箱崎星梨花
それで、育ちゃんはお百度参りがしたいってわたしにお願い事を唱えて…
箱崎星梨花
それでそれで、育ちゃんはまたお百度参りでお願い事をするんですか?
中谷育
うん!
箱崎星梨花
欲張りはダメって言ったじゃないですか!!
中谷育
欲張りじゃないよ?
中谷育
あのね、わたし、心の底からお願いしたいことがあるんだ。
中谷育
だからね、お百度参りがしたいの。
百瀬莉緒
横から口を挟む様で悪いけど、お百度参りって一人でするものじゃない?
中谷育
そうなの!?
百瀬莉緒
えっ、知らなかったの?
中谷育
ん~…だとしても、わたしは友達と一緒にわいわいしながらしたいなって…
中谷育
そう思ったんだ。
中谷育
だって、わたし、どのみちもうすぐ一人になるし…
中谷育
その時がきたら、星梨花ちゃんは友達というか、お姉さんみたいな…
中谷育
少し遠い存在になっちゃうでしょ?
箱崎星梨花
なんか、すみません、わたし、気付けなくて…
中谷育
大丈夫だよ。
中谷育
わたし、ただ、星梨花ちゃんと一緒にクラスメイトとしての最後の思い出つくりしたかったの。
中谷育
それと、ついでにお願い事もしたかったんだ。
箱崎星梨花
育ちゃん…
中谷育
あっ…
中谷育
やっぱり、わたし、欲張りだったね。
中谷育
ごめんなさい。
箱崎星梨花
ううん、そんなことないです!
箱崎星梨花
その…わたしも思い出作りたいです!!
箱崎星梨花
だから、はじめましょう、お百度参り!!
中谷育
うん!
(台詞数: 50)