箱崎星梨花
はあぁ……。バイオリンのお稽古、サボっちゃった…。
箱崎星梨花
パパやママに知られたら、きっといっぱい叱られちゃうなあ…。
北沢志保
(あら…?あそこにいるの…星梨花?)
北沢志保
(楽器を持っているから…レッスンの帰りかしら?ちょっと声かけてみようかな)
箱崎星梨花
うぅ…。どうしよう……きっと今頃お家に連絡が……
北沢志保
星梨花!こんなところで何してるの?
箱崎星梨花
ひゃぁっ!!
北沢志保
ちょ、ちょっと何よ…。そんなに驚かなくてもいいでしょ…。
箱崎星梨花
あ、ご、ごめんなさい…。急だったからビックリしちゃって…。
北沢志保
まったく…。で、どうしたの?こんな………
北沢志保
…何かあったの?
箱崎星梨花
えっ…?ど、どうして……ですか?
北沢志保
目、赤いわよ。泣いてたんでしょ。
箱崎星梨花
えっと…これは…その……………。
北沢志保
言いたくないなら無理に言わなくていいわ。ごめんなさい、邪魔したわね。
箱崎星梨花
ま、待ってくださいっ。
箱崎星梨花
ま、待ってくださいっ。………お話、聞いて欲しい…です。
北沢志保
そう…。それで、何があったの?
箱崎星梨花
その…バイオリンのお稽古、サボっちゃったんです……。
北沢志保
真面目なあなたが?…どうして、サボったりしたの?
箱崎星梨花
……一緒にお稽古受けてる人が、私の悪口、言ってるの、聞いちゃって…
箱崎星梨花
それで、何か怖くなって……。お稽古、行けませんでした…。
北沢志保
悪口ねぇ…。何て言ってたの?
箱崎星梨花
…喋り方がうざいとか、かわいこぶってる、とか……。アイドルやって、調子乗ってる、とか…
箱崎星梨花
私、こんな風に思われてるなんて知らなくて…っ。それで…っ!ううぅ…。
北沢志保
ごめんね、思い出させちゃったわね…。ほら、泣かないで。
箱崎星梨花
ご、ごめんなさい…っ。
北沢志保
でもやっぱり…。私が思った通りだわ。
箱崎星梨花
ど、どういうことですか…?
北沢志保
星梨花が悪口を言われる様なことをするとは考えられないのよ。
北沢志保
でも、あなたに対して嫉妬の気持ちを持ってる人はきっと、少なからずいると思うの。
箱崎星梨花
嫉妬……?
北沢志保
あなたは真面目で素直だし、人の悪口だって言わないわ。本当に真っ直ぐで良い子だと思う。
北沢志保
でもね、それが気に食わないって人がいるのよ…。羨ましくなっちゃうのね。
箱崎星梨花
そんな…。じゃあ、私はどうしたら、その子達に許してもらえるんですか…?
北沢志保
許してもらう?あなた、何か悪い事をしたの?
箱崎星梨花
だって、私の事うざいって…。
北沢志保
そうね…。その子達と一緒に、誰かの悪口言ってみなさいよ。きっとすごく仲良くなれると思うわ。
箱崎星梨花
そ、そんな事しませんっ!だって、悪口言われたら、こんなに悲しい気持ちになるんですから…。
北沢志保
それでいいのよ…。真面目に一生懸命やってても、嫌われてしまうことはあるわ。
北沢志保
これから大人になったら、きっともっとたくさんあると思う…。だから、慣れておくべきよ。
箱崎星梨花
人に嫌われる事を、ですか?
北沢志保
ええ…。
箱崎星梨花
……ちょっぴり、悲しいですね。
北沢志保
まぁ、私の考えだから…。聞き流しても構わないわ。
箱崎星梨花
いえ…。お話聞いてくれて、ありがとうございました。気持ちが軽くなりました。
北沢志保
悪かったわね、ペラペラ喋っちゃって。帰ったら、ちゃんと親御さんに謝るのよ?
箱崎星梨花
はいっ!ちょっとだけ怖いけど、正直に話してみようと思います。それじゃ、行きますね。
北沢志保
ええ。気をつけて帰るのよ。
北沢志保
(私も、あの娘みたいに素直になれたら…、少しは、変われるのかしら)
(台詞数: 50)