春の日が未だに来ない
BGM
恋花
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2016-04-25 01:11:05

脚本家コメント
『一筋の光』
お楽しみいただけてますでしょうか?
次「http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/800000000000051360/seq/398」
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箱崎星梨花
どうやら、寝つきが悪くて、目が覚めてしまったみたいです。
箱崎星梨花
目をこすりながら、薄暗い天井を眺めています。
箱崎星梨花
これでも今日は色々あって疲れているはずなんです…
箱崎星梨花
はじめてのことが、たくさんあったのに、ぐっすりと眠る事ができないです。
箱崎星梨花
「えいっ」
箱崎星梨花
わたしは小さくそう呟くと、勢いよく寝返りをうつ。
箱崎星梨花
わたしの視界の中に、静かに寝息をたてて眠っている女の子が収まる
箱崎星梨花
「そうでした…、今日は、わたしのはじめてのお客さんがきているんでした…」
箱崎星梨花
なるべく桃子ちゃんを起さないように、私は優しくそう呟きました。
箱崎星梨花
ちゃんと寝付けないのは、わたしが単に浮かれているのか…
箱崎星梨花
それとも、桃子ちゃんをアイドルにしないといけない、っていう使命感からか…
箱崎星梨花
この、そわそわした気持ちは、きっと前者ですよね。
箱崎星梨花
ネチョリッ
箱崎星梨花
「わっ!!」
箱崎星梨花
桃子ちゃんの寝顔を覗きこもうと、顔を近づけていたら…
箱崎星梨花
左頬に違和感を感じで声をあげてしまい、わたしはしまったと思った。
箱崎星梨花
桃子ちゃんを起しちゃいけないのに…
箱崎星梨花
しかし、そんなことはものともせずに、目の前にいる子役少女は熟睡している。
箱崎星梨花
身体を少し起こして、左頬を触ると、わたしの頬は濡れていて…
箱崎星梨花
視界が暗闇に慣れてくるにつれて、その原因ははっきりと目視することができました
箱崎星梨花
シーツが濡れています…
箱崎星梨花
桃子ちゃんの顔の辺りから広域に渡って濡れています。
箱崎星梨花
「桃子ちゃん…」
箱崎星梨花
交番から、ここにくるまでの経緯を思い出すと、わたしは心が少し痛くなる。
箱崎星梨花
桃子ちゃんが枕を濡らす理由に、わたしは心当たりがある。
箱崎星梨花
それは、桃子ちゃんが今アイドルになろうとしている理由にも直結することで…
箱崎星梨花
桃子ちゃんがお家に帰らずに、ここにいる理由にも繋がって来る…
箱崎星梨花
桃子ちゃんの家族問題に深入りしてはいけない。
箱崎星梨花
桃子ちゃんをお家に泊めるにあたって、パパにはそう、言い付けられました。
箱崎星梨花
でも、既に関わってしまったわたしは…
箱崎星梨花
少なからず、その一部ではあるのかもしれません…
箱崎星梨花
深入りしてはいけないけれど、間接的になら出来ることはありますよね。
箱崎星梨花
桃子ちゃんがアイドルになるお手伝いを全力ですること。
箱崎星梨花
それが、間接的で、最善の処置だとわたしは思います。
箱崎星梨花
でも、今、一番桃子ちゃんに必要な事は愛情だと思うんです!
箱崎星梨花
ぎゅっ…
箱崎星梨花
なのでわたしは、桃子ちゃんを抱き締めてあげました。
箱崎星梨花
起さないように、気付かれないように、優しく抱きしめて…
箱崎星梨花
わたしの愛情をあげます。
周防桃子
「うぅ…うっ…」
箱崎星梨花
眠りながら、また涙を流し始める桃子ちゃん。
箱崎星梨花
わたしの瞳には、それが愛おしく映って…
周防桃子
「うっ…お母さん…」
周防桃子
「うっ…お父さん…」
周防桃子
「グスッ…仲良く…して…」
周防桃子
「ごめんなさい…桃子が悪い子だから…だから…」
箱崎星梨花
「大丈夫ですよ」
箱崎星梨花
「よしよし…」
箱崎星梨花
そのまま、桃子ちゃんが泣き止むまで、わたしは頭を撫でてあげました。
周防桃子
「うっ…ぅうう…ぐすっ」

(台詞数: 50)