エミリー
ぎゅーっ・・・星梨花!!星梨花!!!
箱崎星梨花
あ・・・あの・・・く、苦しいです、エミリー・・・
エミリー
す、すみません・・・つい、嬉しくて!!
箱崎星梨花
...わたしたちは立ち上がると、身体についた砂を軽く叩き落とす
箱崎星梨花
...わたしは、一歩後退をして、エミリーから少し離れる
箱崎星梨花
...その様子を眺めていた志保さんは、少しずつ、わたしに距離を詰めるよう近づいてきます
箱崎星梨花
...一歩、二歩と・・・
箱崎星梨花
...志保さんとの距離が縮まるにつれてに、さっき見た夢の内容が、鮮明に蘇る
箱崎星梨花
...ザー・・・ザー・・・ザーーーー、ザーーーーー
箱崎星梨花
...意識がはっきりしていくのがわかるように、波の音も次第に大きくなっていく
箱崎星梨花
...わたしのみた夢は、間違いなく、わたしの忘れていた記憶の欠片の一部だった
箱崎星梨花
(幼い頃のわたしの記憶・・・)
箱崎星梨花
(他人から見れば、これは悍ましい過去の記憶なのかもしれません)
箱崎星梨花
(でも、わたしには、そんな風には感じられませんでした)
箱崎星梨花
(きっと・・・この記憶には続きがあります・・・)
箱崎星梨花
(それはまだ、わたしには、思い出せないけれど)
箱崎星梨花
(一部だけでも、思い出せたことが、とっても嬉しくて)
箱崎星梨花
...わたしはそれを目の前にいる二人に伝えようとした
箱崎星梨花
星梨花「あの!!わたし!!!夢を見たんで__________」
箱崎星梨花
パチンッ!!!!
箱崎星梨花
...一瞬、頬の痛みとともに、景色が横にスライドする
エミリー
志保さん!!
箱崎星梨花
...エミリーの声に、わたしは、志保さんにぶたれたのだと、そう認識した
北沢志保
星梨花、いますぐエミリーに謝りなさいよ!
箱崎星梨花
・・・
箱崎星梨花
...志保さんの声は震えていて、瞳は怒りに満ちていた
エミリー
いえ、私は謝られるような事など一つも、星梨花にされていませんから・・・
北沢志保
エミリー、そういうことじゃないんです
北沢志保
星梨花がお父さんに、捨て台詞を吐いて、物凄い表情で、最上屋を飛び出した後・・・
北沢志保
みんな、貴方の事を心配して、色々なところをずっと駆け回って探したのに!
北沢志保
本当に、心の底から、あなたのことを心配していたから探し回ったんですよ!
北沢志保
それを・・・いざ蓋を開けてみれば、海岸で寝ていただけでなく・・・
北沢志保
夢をみた・・・とか、呆れた・・・みんなのことをなんだと思っているんですか!?
北沢志保
エミリーにも、みんなにも、謝りなさいよ!!
箱崎星梨花
...ポタ・・・ポタ
箱崎星梨花
...瞳から落ちる雫を、砂が吸収して、色が変わっていく
箱崎星梨花
ごめん・・・なさい・・・ごめんなさい・・・わたし・・・くやしくて・・・
箱崎星梨花
パパに・・・皆さんのこと・・・悪くいわれたのが・・・くやしくて・・・ポタポタ
エミリー
それで、どうしたらいいかわからなくなってしまって・・・飛び出してしまったんですよね?
箱崎星梨花
はい・・・ポタポタ、ごめんな・・・さい・・・
北沢志保
ギュッ・・・
北沢志保
私のほうこそ、言い過ぎだよね、ごめんね
北沢志保
でも、それほどまでに、星梨花の事を私達、心配したんだよ
エミリー
はい、とにかく怪我も無く、なにより無事で良かったです!
北沢志保
私は、正直、貴方が羨ましい
箱崎星梨花
志保さん・・・
北沢志保
度は過ぎているかもしれないけど・・・
北沢志保
星梨花の事を、心の底から思って、心配してくれる素敵なお父さんが、貴方にはいる
北沢志保
だから、『大嫌い』だなんて、言わないであげて・・・
北沢志保
きっと、話せばわかってくれる人だから・・・
(台詞数: 50)