箱崎星梨花
冬の間に一度だけ家族で旅行に行きました
箱崎星梨花
そこでわたしは初めて自分の目で日本一の山、富士山を見ました!
箱崎星梨花
その時お母さんに聞かれました
箱崎星梨花
「星梨花は富士山に今積もっている雪が溶けたら、どうなると思う?」って
箱崎星梨花
それはーーー
箱崎星梨花
あなたはどうなると思いますか?
箱崎星梨花
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望月杏奈
これって…
望月杏奈
…杏奈は星梨花の落とした手紙を読んでしまい動揺していた
望月杏奈
杏奈が待ち続けた答えをこんなところで見つけちゃったから
望月杏奈
百合子とリリィは同じ人で…リリィは百合子で、百合子はリリィなの?
望月杏奈
百合子は最期まで、それだけじゃなくて亡くなってからも杏奈のことを心配してくれて
望月杏奈
自分より他人を想って…
望月杏奈
それで星梨花はそれを杏奈に伝えようとしてくれてたんだ…
望月杏奈
自らが留まった、暗くて寒い冬
望月杏奈
二人の想いが杏奈の凍った世界に直接触れる
望月杏奈
それが杏奈にも直に伝わってくる、光が射し込む
望月杏奈
杏奈の世界に積もった見えない雪が溶け出すように
望月杏奈
雪解け水のような涙が杏奈の瞳から溢れ出す
望月杏奈
その涙の一滴一滴がアスファルトに落ちて、色を変えて広がっていく
望月杏奈
そして濡れたアスファルトにはさっきの寂しそうな星梨花の顔が浮かび上がった
望月杏奈
杏奈は涙を拭うと星梨花の手紙を畳んでしまった
望月杏奈
そして星梨花を追いかけるように走った
望月杏奈
百合子の気持ち、星梨花の気持ち
望月杏奈
二人のまっすぐな想いを受けて杏奈は変わろうとしていた
望月杏奈
遅めの春を迎えようとしていた
望月杏奈
でもそれは杏奈独りでは無理で
望月杏奈
二人でもダメで
望月杏奈
三人じゃなきゃ嫌だから
望月杏奈
杏奈は星梨花を追いかけた
(台詞数: 30)