箱崎星梨花
わたしの世界は生まれてからずっと真っ黒だった
箱崎星梨花
例えるならば出口の無いトンネルにずっと閉じ込められているような…
箱崎星梨花
そんな真っ暗な世界でわたしを導いてくれたのは
箱崎星梨花
お母さんとお父さんの声でした
箱崎星梨花
わたしは世界が本当にあるのかもずっとわかりませんでした
箱崎星梨花
わたしには人を照らしつける太陽も、お月様もわからない
箱崎星梨花
ビルも、学校も、病院も、花も、桜も、蟻さんも、犬も、猫も
箱崎星梨花
それにわたしのお父さんも、お母さんもわたしには本当に存在しているのかわからなくて…
箱崎星梨花
誰かに会っていたとしても、わたしには見えていないから、会ったとは言えませんよね?
箱崎星梨花
わたしは暗くて寂しいわたしだけの世界にぽつんとただ立っているだけ
箱崎星梨花
まるで現実の世界に存在を否定されたみたいに
箱崎星梨花
わたしはきっと『幽霊』だった
箱崎星梨花
それだけわたしという存在意義にはなにもなかった
箱崎星梨花
それでもわたしのお母さんとお父さんと名乗る人達は諦めずにわたしに声を掛け続ける
箱崎星梨花
何度も
箱崎星梨花
何度も
箱崎星梨花
わたしに大丈夫だよって言ってくれる
箱崎星梨花
あれは去年の冬のこと
箱崎星梨花
お父さんがわたしに神様から早目のクリスマスプレゼントが届いたんだって
箱崎星梨花
すごく喜んでいたのを覚えています
箱崎星梨花
わたしに角膜を提供してくれる人がいて
箱崎星梨花
もしかしたらわたしの目が見えるようになるとのことでした
箱崎星梨花
わたしは手術を受けることになりました
箱崎星梨花
光の溢れる世界にやっとわたしもいけるんだって
箱崎星梨花
出口の無いトンネルから出れるんだって本当に嬉しかったです
箱崎星梨花
それにわたしはちゃんとお父さんとお母さんに会いたかったんです!
箱崎星梨花
手術後
箱崎星梨花
わたしの世界に色がつきました
箱崎星梨花
光をもらいました
箱崎星梨花
はじめてみた景色でわたしが抱いた感想は1つです
箱崎星梨花
とても眩しかったです!
箱崎星梨花
そしてわたしの目の前にいた人達がいいました、いつもわたしに声を掛けてくれたように
箱崎星梨花
星梨花おめでとうって
箱崎星梨花
ニコニコしながら瞳から雫を流していました
箱崎星梨花
二人はわたしを抱き締めてくれました
箱崎星梨花
わたしは二人に言いました
箱崎星梨花
お父さん、お母さん
箱崎星梨花
初めまして!やっと会えましたね!
(台詞数: 38)