箱崎星梨花
桃子ちゃん、待って!
周防桃子
ついて来ないでよッ!
矢吹可奈
ど、どうしたの二人とも!?
周防桃子
別に。それより、可奈さん達随分遅かったね。出口は見つかった?
矢吹可奈
ううん、まだだけど…。
周防桃子
ほらね、やっぱり無駄なんだよ。どこにも出口なんてないんだ。
箱崎星梨花
そんなことないよ!諦めずにみんなで探せば、きっと…
周防桃子
なら、みんなで好きなだけ探せば。桃子は一人で勝手にさせてもらうから。
箱崎星梨花
ダメだよ、一人でなんて!みんなで一緒に行動しないと危ないかもって紗代子さんが…
周防桃子
そういうのキライなの。揃いも揃って仲良しごっこなんてもううんざり。
周防桃子
それに、いつ後ろからグサっとやられるかわかったもんじゃないし…。
箱崎星梨花
……えっ?
矢吹可奈
桃子ちゃん!
周防桃子
じゃあ聞くけど、会って一週間も経ってない相手の事を可奈さんは完全に信じられるの?
矢吹可奈
……信じるよ。だって、私達は仲間だもん。
周防桃子
仲間?笑わせないで。桃子達はたまたまここで一緒に居合わせただけの、ただの他人。
周防桃子
いや、むしろ敵だね。ここから出たいが為にいつ殺されるかもわからないんだから。
箱崎星梨花
桃子ちゃん!……もうやめようよ、そんな事言うの…。
周防桃子
………
周防桃子
もう、嫌なの。信じた相手に裏切られるのは、もう…。
矢吹可奈
桃子ちゃん…?
周防桃子
……桃子は誰も信じない。これからは好きに行動させてもらうから、みんなにもそう伝えておいて。
箱崎星梨花
桃子、ちゃん……
周防桃子
もうついて来ないでよ。……じゃあね。
矢吹可奈
……行っちゃったね。
箱崎星梨花
桃子ちゃんも一人でいたら危ないってわかってるはずなのに、どうして…。
矢吹可奈
きっと不安なんだよ。出口が見つからなくて、先が見えない状況だし…。
矢吹可奈
今は一人にさせてあげよう。大丈夫、きっとすぐに戻ってきてくれるよ。
箱崎星梨花
……そう、ですね。はい、そう信じます。
矢吹可奈
じゃあ、食堂に戻ろう。ずっと調査しててお腹空いちゃった～。
箱崎星梨花
ふふっ。美奈子さんがたくさん料理を作ってくれたので、いっぱい食べてくださいね!
矢吹可奈
【この日から、桃子ちゃんは朝と夜の集まりに顏を出さなくなった】
矢吹可奈
【桃子ちゃんに限らず、出口が一向に見つからない事に不安や焦りを覚える人は多くいた】
矢吹可奈
【私だってそう。こんな生活がいつまで続くのか、考えただけで頭がおかしくなりそう…】
矢吹可奈
【昨日に比べると静かになった食堂で夕食を取った後、私達は言葉少なに別れて自室に戻った】
矢吹可奈
【自室で一人になった時どうしても頭によぎってしまうのは、アカネの提示したルール…】
矢吹可奈
【"誰かを殺した候補生だけが、ここから出られる"…】
矢吹可奈
【枕を深く被って私は眠りについた。……もう何も、考えたくなかった】
(台詞数: 38)