野々原茜
わん・つー・すり・ふぉー!
野々原茜
わん・つー・じゃーぁんぷ!
野々原茜
わん・つー・たーんで
野々原茜
はい、決めポーズ!
北沢志保
…………
野々原茜
はい!どうだった?ねえ、しほりん?
北沢志保
その……ノーミスだったと思います。
野々原茜
にゃっはー!そうだった?いやー自信なかったんだけどね?ノーミスだった?やっぱりそうかー
北沢志保
あの……なんで、私のパートの振り付けなのに、そんなに踊れるんですか?
野々原茜
いやいやー、全然、全然踊れてないよー。しほりんの真似してちょーとやってみただけだけ
野々原茜
でも、最後のステップからのジャンプ、直後のターン、ここは茜ちゃんも焦ったねー
北沢志保
そうなんです!そこが……そこが何度やっても上手くいかなくて……
野々原茜
んー、たしかに難題だね。茜ちゃんなら、たまたまでもできちゃうかもだけど、難題だ難題だ
北沢志保
その……どうすれば……!?なにかコツとか
野々原茜
んーコツかー……ほら、茜ちゃんって、インスピレーションの人でしょ?なんて言うかその……
野々原茜
天使が教えてくれるよ。なんちゃって。
北沢志保
て、天使……?
野々原茜
そうそう天使。
野々原茜
あ、茜ちゃんはもう行かなきゃ!じゃあねーしほりん!またねー!練習頑張ってねー!
北沢志保
あ、あの……
北沢志保
……嵐のような人。
北沢志保
自主練している所に突如入ってきたかと思えば、練習に割り込んできて
北沢志保
1回通り説明しただけの、私の苦手なパートをいとも簡単に踊って見せて
北沢志保
あげく、天使が教えてくれる……??神様とかじゃなくて!?
北沢志保
結局、何しに来たのあの人??ダンスに苦戦してる私を笑いに来たのかしら……
北沢志保
そして……才能のある人にはおよばないって、見せつけに来たんだきっと……
北沢志保
……何なのよもう!
北沢志保
(そこからは、なんだか悔しくて、苛立たしくて)
北沢志保
(夢中でステップを踏んだ。何度も何度もジャンプして、ターンして、)
北沢志保
(それでも、上手くいかなくて)
北沢志保
(そんな心のモヤモヤを振り払うように一歩力強く踏み出し、跳んだ)
北沢志保
あ、天使…………
北沢志保
(…………ブラインドから差し込む光……反射して、壁に数本の白い筋作っている)
北沢志保
(その放射状のうすっらとした線が、確かに……天使の羽根のようにも見える)
北沢志保
(この位置からジャンプすると、ちょうど自身と重なり、鏡映った自分に羽根が生える)
北沢志保
周りを見る余裕、全然無かったんだ私……
北沢志保
(ステージに立つアイドルとして、致命的だ……)
北沢志保
(その場で何度か飛び跳ねる)
北沢志保
(一番天使に見える位置はどこか探す。なんかちょっと楽しくなって、何度も跳ぶ)
北沢志保
(……あれ?)
北沢志保
(そのままの姿勢からターンに移る)
北沢志保
……身体が、軽い……?
北沢志保
(……いや、天使の羽根に重なろうすると、ジャンプする前のステップがスマートになって)
北沢志保
(腕も、自然と力が抜けて、次の動作にすぐ移れている……)
北沢志保
……のかな?
北沢志保
(正直自分でも今までどう跳んでいたか、なぜこの動きに苦戦していたのか分からなくなるくらい)
北沢志保
ジャンプ……ステップ……ターン……ジャンプ……ステップ……ターン……ジャンプ……
北沢志保
……できた。、、、
北沢志保
(これは後で聞いた話だけど、自主練中に茜さんが乱入して来た人は、他にも何人もいるらしく)
北沢志保
(そして皆、謎アドバイスをもらって、……なぜかレッスンが、上手くいったらしい…。)
(台詞数: 50)