その少女、茜
BGM
プリティ~~~ッ→ニャンニャンッ!
脚本家
なかやま
投稿日時
2015-12-03 01:43:46

脚本家コメント
――そして、茜は伝説になった

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野々原茜
うーーん……美味しいーー!
野々原茜
――幸せそうにプリンを頬張る。その少女の笑顔は、たったひと晩で、数多の人の心を動かした
野々原茜
プロちゃん、プロちゃん!茜ちゃんの出たあのCM、凄い評判らしいじゃん!
野々原茜
あーやっぱり、このキラキラオーラが画面から伝わっちゃったかなー。抑えたつもりだったのになー
野々原茜
――誰しもが、片手に持ったその機械で、情報をいとも簡単に拡散し、収集出来る今の時代
野々原茜
――茜のCMについての話題が波及していく様子も、まさに手に取るようにわかった。
野々原茜
――しかし、熱が上がる速度が早ければ、冷める速度も同様に早いのが、この業界の常
野々原茜
――我々は間髪入れずに次の手を打たねばならない。この波を逃してはいけない。
野々原茜
――そうだ……、ちょうど、竜宮小町用に押さえていた会場があるが、
野々原茜
――竜宮は、海外へのプロモイベントのオファーが急遽入り、会場の用途は宙に浮いたままだった
野々原茜
え?茜ちゃんのソロライブ?プロちゃんったら大胆!!まぁでも、茜ちゃんの実力なら大丈夫だけど
野々原茜
でもいいのかな!?茜ちゃんファンが爆発的に増えちゃうよ?インド人もびっくりだよ!?
野々原茜
――と、こんな調子で、本人は相変わらずだったので、それはそれで私も安心していたのだが
野々原茜
――先週まで、イベントであくせくCDを手売りしていたような駆け出しアイドルが
野々原茜
――竜宮と同規模の、今回でいう所の5000人規模の会場で、果たして人が集まるのだろうか
野々原茜
――私は、焦りすぎたのではないか……
野々原茜
プロちゃんプロちゃん。今日はまだ1回も茜ちゃんに「可愛い」って言ってないぞ!はいどうぞ!
野々原茜
――……私のこの悩みは、杞憂に終わる
野々原茜
――茜の初のソロライブは、チケット予約開始から僅か30分で全て埋まってしまった
野々原茜
――世間からの「期待」の大きさに、喜びと不安で、正直足が震えた
野々原茜
プロちゃんちょっと顔色悪い?茜ちゃんナデナデしたい症候群かな?ほら、早くナデナデしなきゃ!
野々原茜
――……まったく
野々原茜
――こちらは、様々な感情にジェットコースター如く振り回され、疲労困憊だと言うのに……
野々原茜
――しかし、そんな茜の姿を見ている時が、1番心安らいでいることも事実であった
野々原茜
――そして、ソロライブ当日
野々原茜
プロちゃん!この茜ちゃん人形を今日来てくれたファンに配ろうと思うんだけどどうかな?
野々原茜
まぁ1500個しかないから、全員には配れないんだけどねー。
野々原茜
――また、茜の突然の無茶が始まった
野々原茜
――まぁ、人形の配布程度なら、すぐ手配できる。私は快く承諾した。
野々原茜
――しかし、私はひとつの違和感を覚え、茜の手を掴んだ
野々原茜
え?なになに急に!まさか、こんな所で愛の告白?プロちゃん、まだ茜ちゃん心の準備が!
野々原茜
――衣装の白い手袋をはずすと、そこに、テーピングでグルグル巻きになった5本の指
野々原茜
――うっすら、紅く滲んでいる箇所すらある
野々原茜
やっ、やだなぁプロちゃん。そんなに真剣な目で見つめられると茜ちゃん、照れちゃうよ……
野々原茜
…………
野々原茜
……その、今回のソロライブのチケット
野々原茜
5000人も集まるかなって、茜ちゃんもほんのちょっと、ほんのちょっとだよ?不安だったんだ
野々原茜
でも……あのCMが流れる前から茜ちゃんのファンだったっていう人達がさ、ネットで
野々原茜
一生懸命呼びかけてくれてたらしくてさ……
野々原茜
まさか、こんなに集まってくれるなんて。いやぁ、魅力があり過ぎるのも困りものだね!
野々原茜
……だからその、
野々原茜
お礼が、したくて……
野々原茜
――それで、指がこんなになるまで、1人で、1500個、作ったって?だから衣装も全部手袋で…
野々原茜
――なんだこの感情は
野々原茜
――怒りたいような、抱きしめたいような
野々原茜
――そして、今まで私は、この子に何をしてあげられただろうかという、後悔のような
野々原茜
わわわ、何も言わなくてもプロちゃんのからナデナデしてくれるなんて珍しい!
野々原茜
……ねぇ、プロちゃん
野々原茜
これから先も、ずーーっと!茜ちゃんを見ていてね!約束だよ!
野々原茜
――そして、最後にケタリと笑い。茜は、ファンの待つステージへと駆け出して行った

(台詞数: 50)