如月千早
その鳥は、空を見上げていた。
如月千早
天井の向こう側に飛べる日を夢見て
如月千早
殺風景な牢屋には、電灯の光が点滅している
如月千早
少し目が眩しい
如月千早
翼が風を感じた時の事を思い浮かべた。
如月千早
……太陽という存在はどれほどの眩しいのだろう?
如月千早
微かな希望とわずかな可能性
如月千早
籠の中に入り込む陽だまりに想いを描く。
如月千早
私はただ…。
如月千早
[その温かさが欲しい、だけど…]
如月千早
「どうして…?」
如月千早
届かないのだろうか…?
如月千早
こんなにも、愛しく感じているのに……何故?
如月千早
洗面所の鏡に答えの出ない自問自答を繰り返す。
如月千早
「どうすれば…?」
如月千早
自分でも、ひどい表情をしていると思う
如月千早
…これでは、お天道様に顔向けできないな。余計な心配をかけてしまう
如月千早
………。
如月千早
……悩む事はもう、これで終わり
如月千早
天井が見えるなら、掴み取りに行けばいい
如月千早
これは、もう決めた事なのだから
如月千早
確証や勝算があるわけではない
如月千早
手に入れるまで、羽ばたき続けるだけだ
如月千早
今は、ただ繰り返す
如月千早
仄暗い牢獄の果てにも同じ空が見えるのなら
如月千早
その境界線を確かめに何度でも
如月千早
飛び出して
如月千早
また、近づいて
如月千早
「本当に…」
如月千早
ながいながい遠回り…。
如月千早
………。
如月千早
「いつになれば」
如月千早
「高槻さんは、レアドロップするのかしら?」
(台詞数: 33)