
永吉昴
旅芸人の人達と共にすることにしたオレは、しばらく練習の日々だった。

永吉昴
1日でも早く、みんなと同じ舞台に立ちたい気持ちで練習に励んだ。

永吉昴
……ほどなくして、オレは座長さんから舞台に出る衣装をもらった。

永吉昴
デビューの日が決まったんだ。

永吉昴
道化の格好をし、座長がオレの名を呼ぶのを待つ。

永吉昴
初めてだから緊張するかと思ったけど、いつも通りやればいいと思ったら、気持ちは楽になったな。

野々原茜
「さーさー、お次の芸は注目だよ~!なんとぴっちぴちのニューカマー!」

野々原茜
「ジャグリングに関しては天下一品!スバルの登場だー!」

永吉昴
言葉と同時に幕のかげから飛び出し、丁寧にお辞儀。

野々原茜
「いいかい すばるん。いまキミは道化師だから、演技中はずっと笑顔でいること」

野々原茜
「アカネちゃんが進行するから、キミは演技に集中してね」

永吉昴
「……うん!」

野々原茜
「さー、まずはウォーミングアップ!5本のバトン、空中投げだよ~」

永吉昴
まず5本のこん棒で空中で投げあて、回しはじめる。

永吉昴
次にリング、そして燃えるたいまつと難易度を上げていく。

永吉昴
成功する度、見てくれる人は驚きと喜びの声を上げて、拍手を送ってくれる。

永吉昴
……オレの芸で、みんな喜んでくれる!表情も作り笑顔から、自然と笑顔になっていった!

野々原茜
「さぁ、いよいよクライマックス。まずは赤とオレンジの玉を投げるよ~」

野々原茜
「さらに!黄色、緑、水色、青、紫とドンドン玉が増えていくよ~」

野々原茜
「するとどうだい!まるで『虹』の輪を描いているようだ!」

永吉昴
ここまでは、今までの芸に比べたら普通。本番はここからだ……。

野々原茜
「でも虹が出来るには、大事なのを忘れてるような……」

野々原茜
「そう、『太陽』だ!それで取り出すのは、金色に輝く一際大きな玉!」

野々原茜
「空に輝くお日さまが虹を描けたなら、盛大な拍手をお願いします!」

永吉昴
(一番大事な所……失敗できないッ!)

野々原茜
「(小声で)すばるん、顔が強張ってるぞ~」

永吉昴
(あ、いけね……)

野々原茜
「それでは……」

野々原茜
「それでは……はいッ!」

永吉昴
「いよっと!!」

永吉昴
ちょっと叫んでしまったけど、8つの玉を操り、金色の玉はどれよりも高く、早く投げあてた。

永吉昴
いやー、成功した時のお客さんの歓声と笑顔といったら!ほんと、サイコーだったよ!

永吉昴
オレの芸は、みんなを喜ばせれる。自信を持てるようになっていったんだ。

野々原茜
『シーン5に続く』
(台詞数: 34)