七尾百合子
昔々あるところに、詐欺師の少女がいました。
七尾百合子
少女はお金持ちの貴族や商人、果ては王族を騙しては、粗悪な品を高値で売っていました。
七尾百合子
一度噂が広まっては詐欺を働かなくなるため、少女はあちこちの国を転々としていました。
ロコ
ようやく次のキングダムに着きました。ここのキングには何を売りましょう?
ロコ
このオールドなソファ?それともダーティーなクローゼット?それとも…。
ロコ
そうだ!せっかくなので、0コストでマネーをゲットしましょう!
七尾百合子
何かを閃いた少女は、早速王様に謁見するために、お城にやってきました。
望月杏奈
杏奈…この国の、女王様…。あなたが、旅の商人…?
ロコ
はい!ワールドワイドの様々なアイテムを揃えていますよ!
望月杏奈
へえ……杏奈、レアアイテム…好き…。どんなのが、あるの…?
ロコ
はい!本日クイーンに見せたいのは、このドレスです!
望月杏奈
……えっ?それは……?
七尾百合子
少女がカバンから取り出したそれを見て、女王様は驚きました。
七尾百合子
それもそのはず。少女の手には、何も握られていなかったのです。
ロコ
これは、フーリッシュなピープルには見えないドレスです!どうです?マーベラスでしょう?
望月杏奈
馬鹿には…見えない服……確かに、珍しい…ね。
ロコ
もちろんワイズなクイーンには見えていますよね?
望月杏奈
……………………。
七尾百合子
女王様はしばらく考えた後、答えました。
望月杏奈
もちろん、だよ……。素敵なデザイン……だね。
ロコ
ええ!パーティーのダンスでは、きっと映えますよ!……それでは、買っていただけますね?
望月杏奈
うん……でも、2着……欲しい。
ロコ
えっ?2着ですか?
七尾百合子
女王様の意外な提案に、少女は驚きました。
望月杏奈
うん……2着無いなら……買わないけれど……。
ロコ
い、いえ!お目が高い!実はちょうど2着持っていまして!
望月杏奈
ほんと…?それじゃあ…早速着てみる…から…お部屋まで運んで?
ロコ
クイーンのルームにですね!わかりました!
七尾百合子
そう言うと、少女は女王様の後ろについて、女王様の部屋に行きました。
望月杏奈
入って、どうぞ…。着替えるから…ドアを閉めなきゃ…。
ロコ
それでは、このドレスをどうぞ。2着ともベストフィットすると思いますよ!
望月杏奈
ありがとう……でもね、違うの……。
望月杏奈
もう1着はね……あなたが、着るんだ……よ。
ロコ
えっ…そ、それはどういう意味で…?よくわかりませんが、ロコは外に出ていますね。
ロコ
あれ!?ドアがオープンしませんよ!?どうして!?
望月杏奈
えへへ…どうしてかな…?
ロコ
クイーン!これは一体…ひぃっ!?
望月杏奈
ほら……あなたも、着替えて?
七尾百合子
その瞬間、少女と女王様、2人だけのロマンティックな舞踏会の幕が上がりました。
ロコ
うう……もう……許して……。
望月杏奈
どうしたの…?もう、踊り疲れちゃった…?
望月杏奈
それとも……ペアルックが、恥ずかしいの?
ロコ
誰か……誰か……。
望月杏奈
駄目だよ……夜は……まだ長いもん…。楽しいパーティーは、まだまだこれから……だよ。
望月杏奈
もっとたくさん……一緒に、踊ろ?
ロコ
誰かーーーーー!!!!
七尾百合子
こうして、女王様と詐欺師の少女は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
七尾百合子
めでたしめでたし!
(台詞数: 48)