吸血鬼になった少女 22話
BGM
創造は始まりの風を連れて
脚本家
れみす
投稿日時
2017-08-04 22:37:11

脚本家コメント
第22話「その想いを胸に」
ついにアンに正体がバレてしまったユリ。
なんと!アンも正体を隠していたらしく吸血鬼ハンターの末裔だという。
アンに捕まり絶体絶命のユリはその身を委ねることにした…
NEXT→「私の願い」

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七尾百合子
私はアンちゃんに身を委ねた。
七尾百合子
このまま生きていても私は、私の中の吸血鬼に自由を奪われるだろう。
七尾百合子
吸血鬼ハンターは吸血鬼の命を奪うことはできない。
七尾百合子
だから何らかの方法で吸血鬼を封印するんだってアンちゃんから聞いたことがあったっけ?
七尾百合子
はは…それをまさか私がアンちゃんにやられるとは思わなかったけどね。
七尾百合子
でも…これでいいんだ。これで…私の長い人生も漸く幕を閉じる…
望月杏奈
『………。』
七尾百合子
あれ…何だか顔に何かが落ちて……
望月杏奈
『くっ…うぅ……』
七尾百合子
「…泣いて…るの?」
望月杏奈
『なんで…なんでユリちゃんは抵抗しないの…』
望月杏奈
『私…辛いよ……最初は…復讐のために近づいてったんだけどさ…』
望月杏奈
『だんだんね…ユリちゃんと接していくうちに…ユリちゃんのこと…』
望月杏奈
『ユリちゃんのこと…好きになっちゃったんだよ!』
望月杏奈
『でもね…吸血鬼は私にとって許すことのできない存在…』
望月杏奈
『それと同じぐらいユリちゃんは私にとってかけがえのない存在になったの!』
望月杏奈
『私も……一人だったから…』
望月杏奈
『ユリちゃんといれたら安心できたの!』
七尾百合子
アンちゃんの手から力はなくなり、私は自由に動けるようになった。
望月杏奈
『……行って。』
七尾百合子
「え…?」
望月杏奈
『早く行って!私から早く離れて!でないと私…本当にユリちゃんのことを許せなくなっちゃう』
七尾百合子
「アンちゃん…」
七尾百合子
私はその場を離れることにした。
望月杏奈
『やっぱり待って!……そのまま…振り返らないで聞いて…何も返事もしないで…』
七尾百合子
「………。」
望月杏奈
『あなたの家のあの部屋…そこにあなたの秘密が隠されてる…』
望月杏奈
『あなたの本当の願いが…何なのか…何もかも思い出す何かがあるの…』
望月杏奈
『何であなたが本を見ると頭が痛くなるのか…やっとわかった。』
望月杏奈
『あなたの中の吸血鬼が…それを拒んでいたんだよ…』
望月杏奈
『だから逃げないで…自分自身と向かい合って本当のあなたを取り戻して…』
望月杏奈
『……最後に一つだけ』
望月杏奈
『多分…私が次にユリちゃんと出会うときは……きっと本気で襲っちゃうと思う』
望月杏奈
『だからもう…私に会いに来ないで…』
七尾百合子
「………。」
七尾百合子
私は、アンちゃんの必死の想いを胸の中に収め、振り返らずに走っていった。
望月杏奈
『ユリちゃん…』
望月杏奈
『ううん…あなたは……』
望月杏奈
『………。』
望月杏奈
『もっと…違う出会い方をしていれば……本当の友達に……なれたのかな…』

(台詞数: 40)