
高木社長
司会「以上、矢吹可奈ちゃんの歌でしたー!」

七尾百合子
新人アイドルNo.決定戦…参加者は私を含めて8名。

七尾百合子
みんなすごいなぁ…あんなに堂々としてるなんて…

高木社長
司会「新人アイドルNo.決定戦も残すところ最後の一人となりました!」

高木社長
司会「突如現れた謎の美少女!吸血鬼アイドル、ユリちゃんです!」

七尾百合子
………。

高木社長
司会「ユリちゃ~ん?」

七尾百合子
「あ、は、はい!」

高木社長
司会「では早速始めましょう!曲は『きゅんっ!ヴァンパイアガール』!」

七尾百合子
(パッ)(パッ)(パッ)

七尾百合子
(パッ)(パッ)(パッ)「(あ…熱い…ライトの照明が…熱すぎる…)」

七尾百合子
「(太陽の光じゃないから痛みはないけど…明るさには慣れてないから…」

七尾百合子
\ワァアアアアアアアアア/

七尾百合子
「(それに…歓声……人が…たくさん………あぁ…)」

望月杏奈
『ユリちゃん…』

七尾百合子
「(だ…だめ……体が…動かな…)」

望月杏奈
『………。』

望月杏奈
(ダッ)

七尾百合子
(パシッ)「(えっ?)」

望月杏奈
『いいものあげる 暗闇で~』

望月杏奈
『思わせぶりにウィンク♪』(パチッ)

七尾百合子
\ワァアアアアアアアアア/

七尾百合子
「(アンちゃん…)」

望月杏奈
『(ユリちゃん、一緒に…やるよ。)』

七尾百合子
「(…うん!)」

七尾百合子
「はにかみながら 目をふせて」

七尾百合子
「パッと舞って!」

望月杏奈
『ガッとやって!』

七尾百合子
「チュッと吸って!」

望月杏奈
『はぁああああああん♪』

七尾百合子
「はぁああああああん♪」

七尾百合子
「(すごい…アンちゃんと一緒なら不思議と体が動いてくれる…)」

七尾百合子
「(それに…あの時一回見ただけなのに振付まで完璧にこなして…すごいよ!)」

七尾百合子
\ワァアアアアアアアアア/

高木社長
司会「え~、多少ハプニングはありましたが以上でユリちゃんの歌は終了です。」

高木社長
司会「今一度、吸血鬼ユリちゃんと」

高木社長
司会「歌って踊れる天才少女、アンちゃんに拍手をお願いします!」

高木社長
\パチパチパチパチパチ/

望月杏奈
『ごめんねユリちゃん、私が飛び出したせいで…』

七尾百合子
「………。」

望月杏奈
『ユリちゃん?』

七尾百合子
「すぅ…すぅ…」

望月杏奈
『……初舞台、お疲れ様。』

七尾百合子
私とアンちゃんは企画のルール違反ということで優勝することはできなかった。

七尾百合子
だけど、審査員からの特別枠でベストパートナー賞というものをもらった。

七尾百合子
初めてだらけで緊張と不安しかなかったけど、アンちゃんのおかげで何とか乗り越えることができた

七尾百合子
アンちゃんと歌って踊った時、私の中で何かこう……ドキドキした気持ちが出てきたの。

七尾百合子
久しぶりに……本当に久しぶりに…楽しいって気持ち、思い出したのかな?

七尾百合子
こうして私の初舞台は幕を閉じたのだった。

七尾百合子
そして、ここから私の…私達の新たな物語が始まるのだった。
(台詞数: 50)