ロコ
「うう…やっぱり、あんなムービーを見るんじゃなかった…。」
望月杏奈
その日、ロコはベッドで震えていた…よ。
望月杏奈
ロコのパパとママ、それとお姉さんは…泊まりがけでお出かけして…ロコは1人だったの。
望月杏奈
それで、テンションが上がったロコは、夜更かししてテレビを見ることにした、よ…。
望月杏奈
放送されていたのは、古いホラー映画…。
望月杏奈
仲良しグループの子供達が…近所で噂の幽霊屋敷に入る…そんなストーリー…。
望月杏奈
屋敷は恐ろしい悪霊でいっぱい…子供達は、必死になって…屋敷中を逃げ回るの。
望月杏奈
最後は無事に逃げ出せて…家族に再会できて…ハッピーエンド…。
望月杏奈
美味しいご飯…温かいお風呂…優しい家族…幸せいっぱいでお布団に入って…。
望月杏奈
天井から落ちてきた悪霊に食べられて終わり…そんなストーリー。
ロコ
「なんで!あんな風に安心させておいて!ラストで裏切るんですか!悪趣味です!」
ロコ
「もういいです。早くスリープします!グッナイ!」
ロコ
「…………うう。眠れないよぉ…。」
望月杏奈
何度も目が覚めてしまうロコ…それもそのはず。最後の惨劇は、子供の家で起きたもん、ね…。
望月杏奈
本来なら安心できるはずの自宅が、今はとても怖い…そうだよね?
ロコ
「このままじゃ眠れない…ちょっと確かめてきます。」
望月杏奈
そう言うと、ロコはベッドを抜け出し、部屋の明かりを点けた…よ。
ロコ
「…アブノーマルなポイントは無いですね…次行きます!」
望月杏奈
ロコは部屋を出て、家中の明かりを点けて回った…よ。
望月杏奈
後は、家中の施錠を確認したよ…偉い、ね…。
ロコ
「全部OKです。やっぱりホラーなんてフィクションですね。」
ロコ
「ホッとしたら眠くなってきました。ライトを消してマイルームに戻りましょう。」
望月杏奈
安心して、家中の明かりを消して回るロコ。
望月杏奈
でも、最後に廊下の電気を消す時は…少しビクッとしていたよ…可愛い、ね。
ロコ
「ふう…やっと戻ってこれました…。さて、グッナーーー……」
ロコ
「あっ…。」
望月杏奈
その時、ロコは思い出したの。映画のラストは、天井から悪霊が降ってきたって…。
望月杏奈
しばらく亀のように布団の中で震えるロコ…可愛い…可愛すぎ…!!
ロコ
「うう…おばけなんかいない、おばけなんかいない……チラッ。」
ロコ
「ッ!!??」
望月杏奈
ロコが天井を見た時…そこに…いたのは…いたのは…。
望月杏奈
……何もいませんでした。
ロコ
「ふぅ…なーんだ。あんなに怖がって、損しました。」
ロコ
「これでリラックスしてスリープできそうです…グッナイ!」
望月杏奈
そう言うと、ロコは安らかな顔で瞼を閉じた、よ…。
望月杏奈
おやすみ、ロコ…いい夢を見て、ね。
ロコ
「…ふふっ。思い出したら、我ながらちょっと恥ずかしいですね。」
ロコ
「今日このハウスには、ロコ以外誰もいないというのに。」
望月杏奈
「いるよ。」
(台詞数: 39)