横山奈緒
……カタギ以外にゃ見えん世間知らずのじゃりが襲名なんざ世も末やなぁ。そう思わんか?
如月千早
……。
横山奈緒
手前んとこの前の頭が残した始末、一体どうつけるつもりなんや?
如月千早
無論、全て私が。
横山奈緒
はっ、右も左も分からんじゃりが吠えるわ! 笑えるのぉ、育!
中谷育
うん!
横山奈緒
(かわいい)
如月千早
(かわいい)
横山奈緒
あんな、嬢。この稼業はカタギやないんやで。
如月千早
委細承知しておりますが。
横山奈緒
どアホ。どうせハジキの一つも持てんのやろが。そんなんで務まるわけないやろ。
如月千早
何が言いたいのです?
横山奈緒
はっ、理解出来んか?
横山奈緒
なら、はっきり言うたる。手前は器やない。
横山奈緒
大人しくそっちの持っとる地盤、悪徳組に寄越せ言うとるんや。
中谷育
ねえねえ、これってこう持つの?
如月千早
(かわいい!)
横山奈緒
(かわいい)
如月千早
い、今更……そんな銃で脅しになるとでも?
如月千早
……ふぅ。大体、兄弟分である悪徳組にその権利はないでしょう?
如月千早
正式に……義理場にて他の親分衆を交えた上でまた聞きましょう。
横山奈緒
……おい、じゃり。手前、誰に物言うとるか分かっとんのか。
如月千早
私だって今や魅梨音組の頭。先代の意思を継ぐ身なのです。
如月千早
手前こそ、相応の態度を見せるべきでしょう?
横山奈緒
おう、あんまなめとるんやないぞ……。育、ちぃっと脅したれや。
中谷育
んんん……っ。これ……固い……打てないよー!
横山奈緒
(あーちゃうちゃう。ハジく時はここをこう外すんやで。ほれ)
中谷育
むー。
横山奈緒
……育、ちぃっと脅したれや。
中谷育
えい!
中谷育
やー!
中谷育
たー!
中谷育
とー!
中谷育
そりゃ!
中谷育
うりゃー!
横山奈緒
(打ちすぎや……。しかも目閉じとったせいか、銃口が明後日の方に向いとるし)
中谷育
だって打つ時の音……大きいんだもん。
横山奈緒
(かわいい!)
如月千早
(かわいい)
横山奈緒
これに懲りたら……えーと、私になめた口聞かん事やな。
横山奈緒
育、帰るで!
中谷育
おとといきやがれ!
横山奈緒
(それ、ここで言うセリフちゃうやん!)
中谷育
あっ。
横山奈緒
……。
如月千早
(このドラマ、本当に上手くいくのかしら……?)
横山奈緒
(せやけど監督、終始ニヤニヤしとったな〜)
如月千早
(私も危ないところでした。育ってば、ふふ)
横山奈緒
(……せ、せやな)
中谷育
ほら、かんとくー。おはじきバンバン!
(台詞数: 50)