七尾百合子
おはようございまーす。
ロコ
アンナー!起きてください!アンナー!
七尾百合子
あ、ロコちゃんだ。それと……。
望月杏奈
…………。
七尾百合子
杏奈ちゃん…どうしたの?頭に変な機械をつけて…寝てる?
ロコ
ただのマシンじゃありません。これはフルダイブ型VRゲームマシンです。
七尾百合子
フルダイブ型…えっ!?つまりゲームの中に入れるってこと!?
ロコ
はい。先日ゲームメーカーのキャンペーンガールをやった時にプレゼントされたらしいです。
七尾百合子
へぇー…ゲーム業界ってもうそんな所まで来ていたんだ…それで、どうかしたの?
ロコ
アンナが、アンナがゲームをスタートしたまま起きないんです!もうすぐワークタイムなのに!
七尾百合子
それは大変だ!でも、この様子じゃ起きなさそうだし……ん?
七尾百合子
これ!もう一台ゲーム機があるじゃない!
ロコ
オンラインプレイ対応らしいです。もっとも、まだ非売品なのでプレイヤーは限られていますが。
七尾百合子
貸して!私が杏奈ちゃんを探してくる!
ロコ
なるほど!ユリコ、任せましたよ!
七尾百合子
このゲーム機を頭に被って…未知なる世界へ…リンク…スタート!
ロコ
あ、そういうのは要らないので、こめかみのスイッチをオンしてください。
七尾百合子
………あ、うん。(カチッ)
七尾百合子
うっ……。
七尾百合子
………うーん…あれ?ここは…ゲームの、中?
望月杏奈
あれれ?百合子さんにそっくりなNPCがいるよ?
七尾百合子
その声は、杏奈ちゃん!?
望月杏奈
ううん!私、vivid_rabbit !でも、その名前で呼ぶってことは本物の百合子さんだ!
七尾百合子
良かった、簡単に見つかった!杏奈ちゃん、もうすぐお仕事の時間だよ!早く起きて!
望月杏奈
えー?でも私、この世界が気に入っちゃったから。ずっとここにいたいの。
望月杏奈
ここはとっても素敵な所だよ。魔法も使えるし、冒険もできる。何だって思うがままだよ。
望月杏奈
だから百合子さんも、こっちで勇者でも魔法使いでも始めよう?ねっ?いいでしょ?
七尾百合子
いいわけないでしょ!ほら!早く帰るよ!
望月杏奈
やだもん。私、絶対に帰らないもん。(ぷいっ)
七尾百合子
私たちはアイドルだよ!ファンのみんなが待ってるよ!
望月杏奈
ここでライブをやって、ネット配信すればいいんだよ。そうすればチケット戦争も起きないよ。
七尾百合子
そ、外の世界にはたくさんのゲームがあるんだよ!?
望月杏奈
ここより楽しいゲームなんてないよ。VR最高!
七尾百合子
あと…ここにはロコちゃんがいないでしょ!!ロコちゃんが外で待ってるよ!
望月杏奈
【vivid_rabbit さんがログアウトしました。】
七尾百合子
………あ、うん。だよね。
七尾百合子
(その後、私もログアウトした。)
七尾百合子
みんなに心配かけちゃ駄目でしょ!わかってるの!?
望月杏奈
ごめん、なさい…杏奈が間違って…ました。
ロコ
まあまあユリコ。アンナだって反省していますから。
七尾百合子
ロコちゃんは黙ってて!まったくもう!なんで、なんで…
七尾百合子
なんでロコちゃんの名前出したらログアウトするんだー!私は傷ついたんだぞー!
望月杏奈
それは、本当にごめん…。でも、百合子さんが来てくれて…嬉しかった、よ?
七尾百合子
そんなこと、そんなこと言われてもね…!私はね…!
七尾百合子
えへへへへへ。
ロコ
とても嬉しそうですね。
七尾百合子
…って、違う!そうじゃなくて、VRゲームに夢中になりすぎちゃ駄目でしょ!
七尾百合子
空想の世界に浸ってないで、ちゃんと現実を見ないと!わかった!?
望月杏奈
……え?…あ…うん。
望月杏奈
(何故かな…釈然としない、よ…。)
(台詞数: 50)