二階堂千鶴
それにしても……。
二階堂千鶴
よく、この場所を見つけられましたわね。
二階堂千鶴
路地裏の更に奥。その上、看板も出してありませんのに。
望月杏奈
じー……。
望月杏奈
ん、何でも……ない、よ。
望月杏奈
お兄さん、面白い、ね……。
二階堂千鶴
わたくしからすれば、杏奈の発言の方が面白いですわね。
二階堂千鶴
ごめんなさい。その子、普段は大人しくゲームで遊んでるのですけど、
二階堂千鶴
どうやら、お客様のことが大層気にいってしまったようですわね。
望月杏奈
えへへ……。
二階堂千鶴
……。
望月杏奈
あ……。
望月杏奈
雨、上がったみたい……。
二階堂千鶴
どうやら夕立だったようですわね。ひとまず安心しましたわ。
二階堂千鶴
……あら、もう行かれるんですの?
二階堂千鶴
取引先へ? 営業というのは大変ですわね。
二階堂千鶴
ああ、お会計は結構ですわ。お話にも付き合っていただきましたし。
二階堂千鶴
それに……。
二階堂千鶴
あ、そうそう、1つ忠告ですが。
二階堂千鶴
恐らく、帰り道は非常に地面がぬかるんでいるかと思われます。
二階堂千鶴
いつも以上に、お気をつけてくださいまし。
二階堂千鶴
ええ、またいつでもどうぞ。ありがとうございました。
二階堂千鶴
……。
望月杏奈
……。
二階堂千鶴
杏奈、あの方に甚く興味を持っていましたわね。
望月杏奈
うん。本当に、面白かった……。死神の鎌が、もう首元まで掛かってる感じ……。
望月杏奈
あんなに近いのは、あんまり見れないから……嬉しかった……。
二階堂千鶴
成る程。それなら入店も納得……なのかもしれませんわね。
望月杏奈
千鶴さん……優しい、ね。最後に、しっかり忠告してた……。
望月杏奈
でも、あの人……もう来れないよ……?
二階堂千鶴
わたくしだって人間ですもの。あの状況で何も言わずに見送るのは歯痒いですわ。
望月杏奈
そういうものなの……?
二階堂千鶴
上辺だけの言葉。社交辞令と言いましてよ。覚えておくと便利ですわ。
二階堂千鶴
まあ、杏奈には一生縁のないことかもしれませんわね。
望月杏奈
むぅ……。
二階堂千鶴
さ、早く通常営業に戻しますわよ。
二階堂千鶴
お客様をお待たせしてはいけませんわ。
(台詞数: 37)