七尾百合子
杏奈ちゃん。荷物が届いているよ。
望月杏奈
あ…また、来たんだね…。
七尾百合子
またってどういうこと?
望月杏奈
杏奈…あるゲームメーカーの…イメージガールを…やっているの…。
望月杏奈
それで…たまに、メーカーから、ゲームソフトを…貰えるんだ…。ハード付きで。
七尾百合子
凄いじゃない!いいないいなー。私もそういうお仕事したいなー。
望月杏奈
テスターみたいな…ものだよ。それに、クソゲーも多いから…楽しいとは限らない、の。
七尾百合子
そうなんだ…今回は何が送られてきたの?
望月杏奈
えっと…フルダイブ型VRゲーム機…だって。
七尾百合子
フルダイブ!?それってSA◯みたいなあれってこと!?
望月杏奈
イメージ的には…夢の世界で遊ぶ感じ…みたい。スペース◯ブラみたいなの…かな。
七尾百合子
何にせよ凄い発明だよ!ゲームソフトは何が付いてきたの?
望月杏奈
えっとね…タイトル…「苦汁」…だって。
七尾百合子
何それ?変な名前だけど…とりあえずやってみる?
望月杏奈
あ…このソフト…年齢制限、ある。17歳以上対象…だって。
望月杏奈
仕方ないから…他の人に…プレイしてもらおう。
真壁瑞希
それで私が呼ばれたわけですか。
望月杏奈
お願い…します…。
真壁瑞希
フルダイブ型VRゲーム機…初めての経験で、結構ワクワクしています。……頑張るぞ。
真壁瑞希
ヘッドギアを装着して……【起動】
七尾百合子
わっ!一瞬で眠った!もうゲームの中なのかな?
望月杏奈
うん…多分…ね。
真壁瑞希
ここは…おや?あそこにいるのは…小学生の頃の私、でしょうか?
真壁瑞希
そしてここは学校。なるほど。どうやら自分の過去を再体験できるゲームのようですね。
真壁瑞希
友人A「うちの先生って、スタイル良いよね。私たちも大人になったらあんな風になれるかな?」
真壁瑞希
子供瑞希「大丈夫です。大人になれば、私たちもきっと成長できます。」
真壁瑞希
子供瑞希「胸だって…バインバインに。」友人A「そうだよね!」
真壁瑞希
ああ…あんな時代もありましたね。……おや?次は中学生でしょうか?
真壁瑞希
友人A「見て見て!新しいブラ買っちゃった!」友人B「あんたまた大きくなったの?」
真壁瑞希
子供瑞希「………………はて?(ペタペタ)」
真壁瑞希
……………。
真壁瑞希
次は…下着売り場、ですか?
真壁瑞希
子供瑞希「きっと下着が悪いのです。新しい下着にすれば大丈夫。………多分。」
真壁瑞希
小学生「あ!お姉ちゃんが持ってるブラジャー可愛い!私もこれがいい!」
真壁瑞希
母親「あんたまだ四年生でしょ。こっちの可愛いのにしなさい。カップ数は同じだから。」
真壁瑞希
…………うわああああああああああ。
七尾百合子
杏奈ちゃん!瑞希さんの様子がおかしいよ!何このゲーム!?
望月杏奈
「苦汁」…自分の過去にあった…苦い経験を…再体験するゲーム…だって…。
七尾百合子
何そのゲーム!?どんな需要に対して作ったゲームなの!?
望月杏奈
このゲームで思い出した記憶は…完全に忘れられるみたい。
望月杏奈
辛い記憶を消したい人向け…?
七尾百合子
荒療治過ぎる!!
真壁瑞希
はっ!?はぁ…はぁ…何でしょう?私は今まで何を?
望月杏奈
おかえり。瑞希さん、どうだった?
真壁瑞希
何か恐ろしい経験をした気がしますが、不思議と心が晴れ晴れしています。
真壁瑞希
きっととても素晴らしいゲームだったのでしょう。覚えていないのが残念です。
七尾百合子
知らないって幸せな事なんだなぁ…。
(台詞数: 47)