ジョウト地方冒険譚side:A 4話目
BGM
瞳の中のシリウス
脚本家
sikimi
投稿日時
2016-08-03 18:35:00

脚本家コメント
その事実は、少女にとって――。
杏奈の二言目が支離滅裂になってる…。
あったんです→燃え落ちたんです。

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望月杏奈
ここはウバメのもりの、屋敷があったところ…だよ。昔、火事で焼けちゃって今は何もないけど…。
七尾百合子
……え?ウバメのもりで火事…ですか?
望月杏奈
うん…。その火事で、女の子が一人暮らしていた屋敷があったんです。
七尾百合子
女の子が一人って、まるで私みたいですね。私も、ウバメのもりにあるお屋敷で暮らしてたんです。
七尾百合子
ただ、火事があったなんて聞いたこともないです。何年ごろの話かご存知ですか?
望月杏奈
えっと…今から40年ぐらい前の話らしいですから…。
望月杏奈
1970年くらい…かな?あやふやだけど、多分それくらい…です。
七尾百合子
…え?1960年?それって、今年の事ですよね…?
望月杏奈
…今年は2016年、ですよ?
七尾百合子
…にせん…じゅうろく?
望月杏奈
はい…。デジタルデータだけど、今日の日にち…です。
七尾百合子
……あの、この小さな機械は何ですか?何やら文字が映ってますけど。
望月杏奈
ポケギアを知らないんですか…?ポケモントレーナーじゃない、小さな子供でも持ってるのに…。
七尾百合子
【カチカチ】わっ!すごいです!!ボタンを押すと表示が変わりますよ!!近未来的ですね!!
望月杏奈
近未来…?百合子さんと話が全く合わない…。まるで、百合子さんが過去から来たみたい…。
望月杏奈
『その子は「ときわたり」に巻き込まれたんじゃないかって。』
望月杏奈
…まさか?
七尾百合子
【PiPiPi】可奈『杏奈ちゃん久しぶりだね!』わわっ!ど、どこから声がしてるんですか!?
望月杏奈
な、なにやってるんですか百合子さん…!!ポケギア返してください!
七尾百合子
ご、ごめんなさいっ!!ボタンを押してたら突然音が鳴り始めて…!!
望月杏奈
…ごめんね、可奈。操作間違えちゃって。…うん。今、すごく立て込んでるの…また今度ね。
望月杏奈
【Pi!】別に、怒ってはないですよ。…それより、一つ思い当たることがあるんです。
七尾百合子
な、何ですか…?
望月杏奈
…今、この時代は、百合子さんが生きていた時代から未来の時代だと思うんです。
七尾百合子
未来…?そんな、本の中のお話じゃないんですから…。
七尾百合子
ああ、でも実際にそんな体験ができたら素敵じゃないですか!?
望月杏奈
…百合子さんは、実際に体験をしているんだと思います。
望月杏奈
ポケギアを知らない。今年が何年か、の認識に違いがある。
望月杏奈
百合子さんが嘘をついていない限り、十分に証拠になると思うんですが、どうですか…?
七尾百合子
……。
望月杏奈
…そうなると、もう一つ分かることがあるんです。きっと、百合子さんにとって辛い現実…です。
望月杏奈
杏奈達がいるここには昔、女の子が一人で暮らしているお屋敷がありました…。
望月杏奈
謎の火災で、燃えてしまったと言われています。住んでいた女の子は、生死不明…です。
望月杏奈
…その女の子、百合子さんの事じゃない…ですか?
七尾百合子
…今が…未来…?私が、過去から…?
七尾百合子
この、草に包まれた広場が、私の家…?私と家族の思い出が…沢山詰まっていた…?【フラ…】
望月杏奈
…百合子、さん?
七尾百合子
…………。【ガサ…ガサ…】
望月杏奈
――40年以上、そこに佇立し続けていたであろう、大量のツタが覆われていた石柱。
望月杏奈
――百合子さんはそのツタを、何かにすがるように、何かから逃げるように剥がしている。
望月杏奈
――何本かツタを千切ったところで、百合子さんの手が止まった。
望月杏奈
――ツタの下には、石柱にはめ込まれた一枚のプレートがあった。そのプレートには…。
七尾百合子
――『七尾』と刻まれていた。
七尾百合子
ぁ……ああっ…。【ガクッ】
望月杏奈
っ!!ゆ、百合子さん!?しっかりしてください…!!
七尾百合子
…あはは、私が未来に来たって、本当だったんですね、杏奈ちゃん。
七尾百合子
…何もないや。私が住んでいた家も、大好きな本も、一緒に遊んだ森のポケモンも…。
七尾百合子
キルリアと…セレビィだけになっちゃった…。
七尾百合子
…ねぇ、杏奈ちゃん。私、これからどうしたらいいんですか?
望月杏奈
百合子さん……。

(台詞数: 50)