北沢志保
ここの夏祭りのお手伝い、か。プロデューサーさんも相変わらず変な仕事取ってくるわね。
望月杏奈
たこ焼き、頑張って作るね。志保も、頑張って…?
北沢志保
…おかしいと思わない?
望月杏奈
何が?
北沢志保
なんだかんだ言って、私達はもうそれなりに名前の知られたアイドルよ。
北沢志保
ステージで歌うとかならともかく、単なる手伝いだなんて。変じゃないかしら。
望月杏奈
お手伝い、嫌なの…?
北沢志保
そうじゃなくて。私達がこんな事してるって分かったら騒ぎにならないかって言ってるの。
望月杏奈
あ。そう言えば、そうかも…。
北沢志保
どう考えてもおかしいわ。大丈夫なのかしら、今回のお仕事。
二階堂千鶴
心配ご無用!その件についてはわたくしからご説明申し上げますわ。
望月杏奈
あれ…千鶴さん?
二階堂千鶴
アイドルが屋台や運営事務所で手伝えば普通は大騒ぎになる。志保の疑問はもっともですわ。
二階堂千鶴
ですが、この商店街に関してはそうはなりませんの。
北沢志保
どうしてですか?
二階堂千鶴
何故なら、この商店街が二階堂家の持ち物だからですわ!
望月杏奈
え。すごい…!
北沢志保
う、嘘。千鶴さんって、本当にセレブだったんですか!?
二階堂千鶴
本当ですわよ。その証拠にわたくし達が今こうして歩いていても誰も気に留めていないでしょう?
北沢志保
言われてみれば。変装もしてないのに。
二階堂千鶴
ここにいる間、あなた達の事は普通の中学生として扱うよう申し付けておりますの。
二階堂千鶴
今のあなた達はアイドルではなくただのボランティア!しっかりお手伝いしてもらいますわよ。
北沢志保
…つまりそれって、単に千鶴さんの所のお祭りの手伝いに借り出されたって事ですか?
二階堂千鶴
そ、そんなに怒らなくたっていいでしょう。どうせ今は大きなお仕事入ってませんし…
望月杏奈
志保。何事も経験だって、プロデューサーさん、言ってたよ?
北沢志保
…はあ。まあオファー受けた以上仕方ないか。
二階堂千鶴
そうですわよ。それにお手伝いのご褒美にあなた達は屋台をフリーパスにする予定ですわよ?
望月杏奈
色んなもの食べて、いいの…?
二階堂千鶴
ええ。綿飴でもイカ焼きでもりんご飴でも、好きな物召し上がりなさい。射的もご自由にどうぞ。
望月杏奈
志保、頑張ろ…ね?
北沢志保
そんな物に釣られないでよ。あんまり食べたらおなか壊すわよ、気を付けなさい。
北沢志保
…あの、弟を連れて来たりなんかは?
二階堂千鶴
どうぞどうぞ。
北沢志保
まあ、とりあえず頑張ります。それじゃ杏奈、また後でね?
望月杏奈
うん。じゃ千鶴さん、行って、きます…
二階堂千鶴
よろしく頼みましたわよ?おーっほっほ…ゲホゴホッ。
二階堂千鶴
…よし。それではプロデューサーに連絡して、と。
二階堂千鶴
アイドル達に普通の女の子として夏祭りを体験させてやりたい、か。気持ちは分かりますけどね。
二階堂千鶴
だからって何もわたくしの商店街を利用するだなんて。いい迷惑ですわ、本当に。
二階堂千鶴
お父さんも何考えてるんだか、こんな事ノリノリで引き受けちゃって。
二階堂千鶴
ほんと、面倒な事になりましたわね。とりあえず連絡を入れておきますか。
二階堂千鶴
ご挨拶はプロデューサーが来てからですわね、手土産も用意しておきませんと。まったくもう…
二階堂千鶴
…もしもし?商店街の会長さん。お世話になっております、二階堂です。
二階堂千鶴
この度は無茶なお願いを引き受けていただきありがとうございました。はい、この後ご挨拶に…
(台詞数: 44)