望月杏奈
うう。電気が無い、回線が無い、ゲーム出来ない…
ジュリア
もう諦めろ。ロケが終わるまでの辛抱だよ。
七尾百合子
杏奈ちゃん相当重症みたいですね。私もこの環境は結構辛いですけど。
ジュリア
ったくバカPのヤツ何考えてんだ。よりによって1番不向きなのをアタシに押し付けやがって。
七尾百合子
ま、まあほら。おかげで私達は1番良い家ですし、道具もたくさん貰えて…
ジュリア
そういやチヅとヤッコんとこは家の修繕から始めなきゃいけないんだっけ。それよりはマシかな。
ジュリア
にしてもなあ。1人がこの有様ってのはかなりハンデだぞ?
望月杏奈
(…ゲーム機ポチッ)
望月杏奈
…
望月杏奈
やっぱり、オフライン…
ジュリア
元気出せって。ほら、トランプとかならあるぜ。これでも無いよりはいいだろ?
望月杏奈
ぷっ。トランプが、ゲーム?ジュリアさん、アナログすぎ…
ジュリア
こんにゃろ!離せユリ、ぶん殴って目を覚まさせてやる!
七尾百合子
おお、落ち着いて下さいってば。ほら、杏奈ちゃん今まともじゃないんですから!
七尾百合子
くっ。こうなったら奥の手を使うしか無いですね。
ジュリア
奥の手?
七尾百合子
はい。私に禁断症状が出てから使う予定でしたが、杏奈ちゃんがこう酷くてはやむを得ません。
七尾百合子
杏奈ちゃん、この本貸してあげる。読んでみて?あ、これ使ってね。
望月杏奈
何、これ…「シャムタンティの丘を越えて」?
望月杏奈
…
ジュリア
黙々と読み始めたな。ありゃ一体何の本なんだ?
七尾百合子
ゲームブックといいまして。ずっと昔に流行った物の再刊版です。
七尾百合子
本が頁ではなくパラグラフ(章)で区切ってあって、それを自分で選択して話を進めるんです。
七尾百合子
で、キャラをゴールまで進めたらクリアと。すごろくを本にした、みたいな感じですかね。
ジュリア
ふーん。時たまサイコロを振ってるのはなんなんだ?
七尾百合子
基本的にはRPGゲームですから戦闘があるんです。その当たり判定とかをサイコロでやります。
望月杏奈
やっと倒せた、手ごわかった…
七尾百合子
はあ。本当なら私がここでじっくり楽しむ予定で全巻持って来たのに…
ジュリア
アンは一応最年少だろ、我慢しな。ほれお前ら、そろそろ仕事始めるぞ?
七尾百合子
はーい
望月杏奈
…ん。
ジュリア
…ふう。こんなに静かで真っ暗な夜なんて、久しぶりだな。
ジュリア
お、綺麗な星空。いいね、東京じゃ絶対に見られない。インスピレーションが湧くな…ん?
ジュリア
何だ?居間の方で何か光ってる…
ジュリア
ま、まさか、だよなあ?幽霊だなんてそもそも時期外れ…(ガタッ)
ジュリア
お、おい何だ?誰か、そこにいるのか?
望月杏奈
…あ。
ジュリア
さっきのは懐中電灯かよ…何やってんだ?
望月杏奈
ごめん、なさい。続き、やりたくて。ここに置いてきたから…
ジュリア
寝ろ!せっかく田舎に来てんだ、少しはゲームから離れろって。
ジュリア
ったくアンのやつ、こんなもん何が面白いんだ?ユリの説明じゃそう面白そうには思えなかったが…
ジュリア
…
七尾百合子
おはよう杏奈ちゃん。今日は魚釣り行こう、クエストみたいで良くない?
望月杏奈
そうだね、頑張る…あれ、ジュリアさんは?
ジュリア
…おかしい。何で蛇全部を倒せないんだ、どこか見落としてんのか?
望月杏奈
…ジュリアさん?
七尾百合子
あの。その大量の書き込みが入ったキャラクターシートと三冊の本、もしかして…?
ジュリア
もう1度最初からやり直すか。しかしなあ、このルート以外ありえないだろこれ…
(台詞数: 48)