望月杏奈
「プロデューサーさん…早く…!」
望月杏奈
待ちきれないとばかりに俺の手を取り走りだす杏奈
望月杏奈
辺りは賑やかで、すれ違う人たちも楽しそうな顔をしている
望月杏奈
何故杏奈と二人でここにいるかというと、それは少しばかり前の話になる
望月杏奈
仕事を頑張ったご褒美をあげようと、杏奈に何が良いか聞いたのが始まりである
望月杏奈
まるでタイミングを計ったかのように流れる花火大会のCM
望月杏奈
それまでは随分と悩んでいたようだが、それを見た瞬間決まったようだ
望月杏奈
「プロデューサーさんと二人で…お祭りデート…」
望月杏奈
照れながらおずおずと話しながらも、チラチラと此方を見ながら期待している様子
望月杏奈
「いいぞ」と答えた途端、パァッと輝いたその顔を見れて、こっちまで嬉しくなってしまう
望月杏奈
その後、一旦家に帰り、出かける準備をして待ち合わせ場所へと向かう
望月杏奈
事務所から直接一緒に行けばいいのにと思ったが、『デートといえば待ち合わせ』とのこと
望月杏奈
約束の時間よりも早く向かい、杏奈を待つ
望月杏奈
しばらくして、こちらを見つけて嬉しそうな顔をして走ってくる杏奈
望月杏奈
「待った?」と聞かれたので
望月杏奈
「いや、今来たところだよ」と、ベタな回答をする
望月杏奈
…あの顔を見るに、正解だったようだ
望月杏奈
俺の手を取り、「いこ?」と上目遣いで言ってくる杏奈
望月杏奈
咄嗟に抱きしめたい衝動を抑え込んだ俺は誇っても良いと思う
望月杏奈
そして現在に戻るが…
望月杏奈
「型抜き…!」
望月杏奈
いきなり渋いチョイスをする杏奈であった
望月杏奈
『カリカリ…カリカリ…』
望月杏奈
傍で見ててほしいと言われたため、手持無沙汰になってしまった…
望月杏奈
凄く真剣な顔をする杏奈
望月杏奈
ここで悪戯心が出てしまった俺は仕方のないやつだと思う
望月杏奈
耳元にこっそりと近づき、ボソッと一言
望月杏奈
「杏奈は可愛いな」
望月杏奈
『……パキッ』
望月杏奈
あ…
望月杏奈
その後、真っ赤な顔をした杏奈にポカポカと叩かれながら再び歩き回る
望月杏奈
そしてブスッとした顔で拗ねてしまった杏奈にひたすら謝る俺という情けない構図が出来上がる
望月杏奈
そこで見つけた射的の店
望月杏奈
その景品の中にある怪獣のぬいぐるみを見た杏奈の表情を俺は見逃さなかった
望月杏奈
すぐに行動に移し、素早くぬいぐるみをゲットする
望月杏奈
プレゼントだと杏奈に渡すと、拗ねていた顔が段々と変わってきて…
望月杏奈
「…ありがとう」
望月杏奈
嬉しそうな顔でぬいぐるみを抱きしめながらその言葉を言われ、ホッとする
望月杏奈
そして聞こえてくる、花火大会を開始するアナウンス
望月杏奈
花火をゆっくり見るため、少し離れた人気の少ない場所に二人で腰を降ろす
望月杏奈
次第に花火が打ち上げられ始め、魅入ってしまう二人
望月杏奈
そしてふと気になり、杏奈の顔を見ると…
望月杏奈
ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめながら空を夢中で見上げていた
望月杏奈
そんな顔を見ながらボソッと呟いた一言
望月杏奈
「好きだよ、杏奈」
望月杏奈
まぁ言ったところで花火の音で聞こえてないだろうと思い、視線を戻す
望月杏奈
すると、クイクイと袖を引っ張られ振り向くと…
望月杏奈
「杏奈も…大好き、だよ?」
望月杏奈
照れて顔を赤くしながらも、俺の腕に抱きつき、嬉しそうに笑う杏奈
望月杏奈
『この笑顔をこれからもずっと守っていこう』と、心に決めた瞬間だった
(台詞数: 50)