望月杏奈
あの……奈緒さん、お誕生日、おめでとう……。
横山奈緒
おう、ありがとうな杏奈。今日はいろんな人から祝ってもらえて嬉しいわ。
望月杏奈
これ……プレゼント、です。
横山奈緒
これは……いっつも行列が出来とる店の、ロールケーキやんか。いっぺん食べてみたかったんや。
横山奈緒
えっ、てことは、杏奈この寒い中並んでくれたんか!?そこまでしてくれんでも良かったのに。
望月杏奈
こうやってフードかぶってたから……ゲームも有ったし、わりと平気……かな。
横山奈緒
せやけど、女の子が体冷やしたらアカンで。とりあえずお茶淹れるわ。
望月杏奈
……気を遣わせちゃって、ごめんなさい。
横山奈緒
ええってええって。今日はみんなに色々してもらってるからな、ちょっとは動かんと。
望月杏奈
……
横山奈緒
いや、でもちょっと信じられへんわ。こんな風に杏奈と普通に喋っとるとは。
横山奈緒
覚えとるか、最初の方の劇場公演のこと?凄いパフォーマンスする娘がいるって聞いとったけど……
横山奈緒
休憩時間は、ずっと隅っこでゲーム機いじっとったからな。本当にやっていけるか心配やったわ。
横山奈緒
やからあの頃は、とにかく話しかけて、杏奈と友達になろうとしとったっけ。
望月杏奈
……杏奈、あの時ね……
望月杏奈
……杏奈、あの時ね……正直、休憩時間まで話しかけられるの、ちょっと迷惑……だったかな。
横山奈緒
……そんなん言わんといてや。聞きたくなかったわ。
望月杏奈
……あの頃、杏奈……みんながちょっと怖かった。みんな明るくて……楽しそうで……
望月杏奈
そんなみんなと……ペースが合わせられるか、不安……だったから。
横山奈緒
……
望月杏奈
特に奈緒さん、押しが強くて……杏奈が反応しなくても……ずっと喋ってた。
望月杏奈
でも……自分ではやらないのに、杏奈のゲームのキャラのことを褒めてくれたり……
望月杏奈
……ウサギのパーカー、似合うとか……杏奈のいいことを、見てくれた……よね。
望月杏奈
杏奈、だから……少しずつだけど……人とおしゃべり、できるようになった、かも。
横山奈緒
そうかそうか。それなりにはお姉さんの役割ができたわけやな!
望月杏奈
……その時は、杏奈達年下がいても、楽屋のお菓子をパクパク食べ切っちゃったり……
望月杏奈
……一周年ライブの時、大泣きするなんて知らなかったから……頼れるお姉さんと思ってた。
横山奈緒
……そんなん言わんといてや。聞きたくなかったわ。
望月杏奈
……冗談、だよ。……半分くらいは。
望月杏奈
……でも、変わったのは……杏奈だけじゃなくて、奈緒さんも……かな?
横山奈緒
へ?私も?
望月杏奈
……こっちに来たばかりの奈緒さん……余裕が無さそうだった……よ?
望月杏奈
時々疲れた顔してたし……本番では絶対スベられへんって言ってた……
望月杏奈
今はその時より……イメージが柔らかくなった。……丸くなったって言うのかな。
横山奈緒
……なんや、杏奈も人のことよく見とるやん。それなら、私ももう一つ頑張らんとな。
横山奈緒
……
横山奈緒
……杏奈、私の体重が増えとるのに気づいたん?東京には美味しいモン多いし、美奈子もおるし……
(台詞数: 37)