北沢志保
『プロデューサーさん…。私もずっと、あなた様をお慕いしておりました…』
北沢志保
……ダメね、感情が篭ってない。もっと感極まった調子で演じないと…。
北沢志保
だいたい何よ、相手が何年も会っていなかった憧れの王子様って。設定がベタな上に古いし…。
北沢志保
…まあこれも仕事だし、仕方ないか。次は相手のイメージを変えて練習した方がいいかな。
北沢志保
…いえ、ヒロインの心境をより深く表すためにも、あえて王子役を演じて見るのもアリかしら…?
北沢志保
イメージする相手は誰にしよう。お姫様役といえば…やっぱりまつりさんや貴音さんかな…?
北沢志保
……うーん、なんか威圧感が凄くて、やりにくいわね。でも他に姫らしい人なんて…。
北沢志保
…可奈でいいか。イメージしやすいし。そうと決まれば、人が来ないうちに…。
北沢志保
『ああ、可奈。こうして貴女と会うのは何年ぶりだろう。すっかり美しくなられて…』
矢吹可奈
(はれっ、杏奈ちゃんだ。おはよう~!今日は早いんだね?)
望月杏奈
(おはよ…。ネトゲしてたら…朝になっちゃったから……そのまま来たの…)
北沢志保
『私はずっと貴女に恋い焦がれていた。こうして迎えに来るまで時間がかかってしまったが…』
矢吹可奈
(…大丈夫?なんだかフラフラしてるけど。って杏奈ちゃんそのクッションは…?)
望月杏奈
(ん…お家から、持ってきちゃった…みたい…。階段上がるの…大変…。眠い……)
矢吹可奈
(わわっ、しっかりして!ほら、肩かしてあげるから)
北沢志保
『私の元に来てほしい。私に貴女を守らせてくれないか?…いや、違うな。正直に言おう。私は…』
矢吹可奈
(ふー、ようやく着いた。ほら杏奈ちゃん事務所に着いたよ、起きて~)
望月杏奈
(ううん…あと3分……)
矢吹可奈
(ガチャ)おはようございまーっす♪
北沢志保
『可奈、私は貴女が…欲しい!』
矢吹可奈
………えっ。
北沢志保
………えっ?
望月杏奈
(………シェゾ?)
北沢志保
ちょ、ちょっと待って!今のは違うの、私はただ劇の練習をしてただけで…。
望月杏奈
大丈夫…杏奈は、隣の部屋で寝てるから…。あとは、ごゆっくり~……。
北沢志保
ごゆっくりってどういう意味!?だから、これは違うんだって…。
矢吹可奈
……あのね?私、志保ちゃんなら……いいよ?
北沢志保
なっ…!?い、いや…その…。だ、だから誤解なんだってばーーっ!!
(台詞数: 28)