如月千早
あら育、珍しいわね。あなたいつもお弁当じゃなかった?
中谷育
えへへ、たまにはね。千早さんも食べる?
如月千早
あなたの年齢でカロリーメイトだけってのはあまり関心出来ないわね。もう少し何か食べたら?
中谷育
平気だよ。あ、ねえ千早さん。今日もトレーニングするんでしょ?
如月千早
あれは朝の日課だからね。走り込みならもう済ませたわよ。
中谷育
そっかあ、つまんないの。一緒に行きたかったのに。
如月千早
どうしたの育、今日のあなた変よ?カロリーメイト食べたりトレーニングしたがったり…
中谷育
あ。あのね…
中谷育
わたし、おおきくなったら千早さんみたいになりたいの!
如月千早
ええ?
中谷育
千早さんっていつもキリッとしてて落ち着いてて、すっごくかっこいいんだもん。だからね…
如月千早
…あのね、育。誰かに憧れを持つのはいい事よ。
如月千早
でも、私みたいな人間を目指すのはダメよ。
中谷育
え、どうして?千早さんはとってもすてきだと思うけど…
如月千早
自分の事は自分が一番良く分かるものよ。私は誰かに憧れてもらえるような人間じゃない。
如月千早
いつも我儘言って皆を困らせて、協調性がまるで無くて。
中谷育
で、でも!歌ってる時の千早さんはとってもどうどうとしてて…
如月千早
本当は不安だらけよ。それを隠したくて自分本位のレッスンばかりやって、皆の事考え無くて…
如月千早
だからね。あなたにはこんな酷い人間にはなって欲しくないの。
中谷育
…千早さんはひどい人なんかじゃないよ。
如月千早
え?
中谷育
さっきから千早さん、みんなの事ばっかり言ってる。じぶんのせいでじぶんのせいでって。
中谷育
でもさ、それは千早さんがみんなを大切だっておもってるからなんだよね?
如月千早
それは…だって、当然の事でしょう?私達は仲間で、皆は協力しあって活動するのが当たり前で…
中谷育
ほんとにわがままでじぶんかってな人なら、そんなふうに思わないよ。
中谷育
みんなに悪いっておもうのは、千早さんがいつもみんなの事考えてくれてるからだよね?
如月千早
そうだとしても、思ってるだけで実際は何もしていないわ。結局、いつも自分の事ばかりで。
中谷育
そんな事ないよ。千早さんがいつもねっしんにレッスンしてるの、みんなすごく参考にしてるもん。
中谷育
桃子ちゃんも環ちゃんも。もちろん、わたしもね!
如月千早
…
如月千早
育。やっぱりあなたは私みたいにはなれないと思う。
中谷育
え?
如月千早
あなたは、そうね。きっと大きくなったら、春香みたいな人になると思うわ。
中谷育
春香さんみたいな人?それってわたしもリボンが似合うとか、そういうこと?
如月千早
ふふ。違うわ、そういう意味じゃないわよ。
如月千早
さっきみたいに他人の事を良くわかって、きちんと理解してあげられる人になれるって言ってるの。
中谷育
うーん、よくわかんないけど、春香さんはそういう人なの?
如月千早
ええ、そうよ。春香はあなたの事、とっても良くわかってるでしょう?
中谷育
うんっ!あんなお姉ちゃんがほしいって思うくらい。
中谷育
…あ。ご、ごめんなさい。もちろん、千早さんのこともそうおもってるよ?
如月千早
ふふ、いいわよ無理しなくて。私はお姉ちゃんってガラじゃないもの。
如月千早
それに春香もきっと、あなたみたいな妹が欲しいって思ってるんじゃないかしら?
中谷育
そ、そうかな。えへへ…
中谷育
うーん、でも春香さんみたいな人に、かあ。
如月千早
あら。私なんかより春香みたいな人になる方がずっと素敵よ、そう思わない?
中谷育
わたし、大きくなったらあんなふうにいっつもころぶようになっちゃうの?
如月千早
ぷっ…そこは真似しなくて大丈夫よ。いい所だけにしておきなさい?
(台詞数: 47)