ロコ
??「お願いです……! その荷物がないと……!」
黒井社長
下っ端A「ええい、しつこい! しがみつくな! ……これで大人しくしてろ!」
ロコ
??「あっ、ちょっと……手を縛らないで下さい! 何をするつもりですか!?」
黒井社長
下っ端A「別に変なことはしないから安心しろ。組織の任務の邪魔さえしなければいいだけだ。」
黒井社長
下っ端A「そもそも無用な暴力はリーダーが固く禁じているからな。分かったら大人しくしてろ。」
中谷育
(……研究服の女の人と……黒い服を着た男の人……?)
中谷育
桃子 (そうだね。でもアレ、どう見ても黒服の男の方が悪いようにしか見えないよね。)
中谷育
(……どんな理由であっても、いじめは絶対にゆるさないよ!)《バッ》
中谷育
桃子 (あっ、ちょっと育! ……まったく、本当に世話がやけるんだから……。)
黒井社長
下っ端A『あー、こちらA。件の荷物を確保しました。……はい、今すぐそちらへ……、』
中谷育
そこでなにをしているの!
黒井社長
下っ端A『な、見つかった!? ……チッ! ……ああ、悪い。ちょっと待っててくれ』《ブツッ》
黒井社長
下っ端A「おやおや、女の子が2人、迷い込んだみたいだね。お兄さんが出口まで案内して……、」
中谷育
桃子「その前に、持ってる荷物とそこで手を縛られている女性について説明してもらえる?」
黒井社長
下っ端A「……一部始終を見ていたようだな。コレを返してほしければ力尽くで奪還してみな。」
中谷育
桃子ちゃん! ここはわたしがいくよ!
中谷育
桃子「……そうだね。桃子が出るまでもないね。やっちゃって、育。」
黒井社長
下っ端A「……なんかナメられてる気がするのだが……。行けっ、ポチエナ!」《ポンッ》
中谷育
ポチエナ……ならこっちは、出てきて! アチャ……、
中谷育
桃子「待って。アレにはアチャモを出すまでもないと思うよ。そっちの子でいいんじゃない?」
中谷育
そっか、今まで野生やトレーナーとのバトルを見せただけだから、そろそろ前線に立たせないとね。
中谷育
出てきて、ポッポ!《ポンッ》
黒井社長
下っ端A「……言わせておけばコケにしやがって……! その言葉、後悔させてやる!」
黒井社長
下っ端A「ポチエナ! たいあたりだ!」《ダッ》
中谷育
そんな大振りの攻撃なんて当たらないよ! ポッポ、よけて!《バッ》
中谷育
お返しに、たいあたり!《ドッ》
黒井社長
下っ端A「なっ……!? こ、こいつ……ガキのくせにポケモンの使い方に慣れてやがる……!」
中谷育
桃子「……あなたが口ほどにもないだけでしょ?」
黒井社長
下っ端A「どこまでもバカにする気か……ッ! ポチエナ! ポッポにかみつけ!」《ダッ》
中谷育
ポッポ! もう一度そのタイミングでよけて……かぜおこし!《ビュオッ》
黒井社長
下っ端A「ポチエナ! ……チッ、もう戦えないようだな。ここは一旦逃げるしか……!」
中谷育
桃子「……させると思う? ミズゴロウ! 出てきなさい!」《ガサッ》
黒井社長
下っ端A「なっ……!? 繁みの中から……!? いつの間に回り込んで……!」
中谷育
桃子「そこを通りたければその荷物をその場に置いていきなさい。従わないのなら……、」
黒井社長
下っ端A「……こうなったら……オイ! 見張り役! 聞こえるか!? 俺を助けに……、」
黒井社長
下っ端A「……クソッ! 見張り役の奴、勝手に引き上げやがった! 俺を見捨てやがって!」
中谷育
桃子「……どうやら仲間にも見捨てられたみたいだね。それで、どうするの?」
黒井社長
下っ端A「……分かったよ! ホラ、ここに荷物置いてくから……チクショォォォォォ!」《ダッ》
中谷育
桃子「……ひとまず一件落着、かな。育、バトルの感触はどうだった?」
中谷育
正直、最初に戦った野生のポチエナの方が強かった気がする。あまり手ごたえなかったかも。
中谷育
桃子「そう言うと思った。ポケモンはトレーナー次第で強くも弱くもなるからね。」
中谷育
それよりも女の人の手をほどかなきゃ……。あの、だいじょうぶ?
ロコ
??「え、ええ……。おかげで助かったよ……ありがとね。」
中谷育
桃子「えっと、この拘束は……簡単に外れるようになってるね。……できた!」
ロコ
??「ふー、手が自由になって気分爽快! 荷物も無事戻ってきて何よりだよ!」
ロコ
??「もしこのまま荷物を盗まれてたら、リコ姉になんて顔すれば良かったか……。」
中谷育
リコねえ……? えっと、あなたは……?
ロコ
??「あ、申し遅れました。私、この先の町にある会社で研究員をしてる伴田ルコと申します。」
ロコ
ルコ「助けてくれたお礼をしたいけど、その前に汚れた研究服を着替えてもいいかな?」
中谷育
うん、いいよ。とりあえず、終わるまで待っていよう、桃子ちゃん。
(台詞数: 50)