ロコ
……
ロコ
……うわっまた揺れた!
ロコ
なんてデンジャラスなんでしょう。船。デンジャラスシップ。
ロコ
あ!でもこういうリスキーなステージをクリアしてこそのトラベラー!踏ん張りどこです!
ロコ
それにしても、なんでビッグオブジェクトが浮かんでるんでしょう。
ロコ
ここからじゃ下はあんまり見えないし、落ちそうで怖いし、なんか気分優れないし……
ロコ
でも中より上に出てた方が気持ち悪く無いし……はぁ。
七尾百合子
ズバリ浮力ですね!
ロコ
ふふふふふふふふーあーゆーですか!!!
七尾百合子
申し遅れました。私は通すがりの旅人、百合子と申します。
ロコ
ナイスツミーツー、ロコはロコです。それで、さっきの浮力というのは?
七尾百合子
説明しましょう!浮力というのは……
七尾百合子
あ、簡単に言ったほうが分かりやすいですかね。人が泳げるのと同じ原理です、だいたい。
ロコ
え、人ってスイムできるんですか?フィッシュじゃないのに?爆発するんじゃ?
七尾百合子
はあ……これだから本を読まない人は……。良いですか、ロコさん。
ロコ
あれ、なぜか叱られる流れに。
七尾百合子
旅人は未知へと冒険します。つまり己の知識の外へと自らを置き続けなければなりません。
七尾百合子
当然知らないことや分からないことで満ち満ちています!さあどうします!?
ロコ
え、えーと。プレゼンのテーマ的にブック系に頼れってことですか?
七尾百合子
ザッツライトです!人が創り出した文字による叡智!それを利用しないのは文明への否定です!
七尾百合子
このご時世、経験からだけでなく、本と言う過去の結晶から学ぶべきなんです!
七尾百合子
まあ、かく言う私も実用的な本とか読んだことありませんけどね、読書が役立ったことはあんまり。
七尾百合子
ただね、本って人間が書いてるんですよ!
ロコ
それはアイノウです。
七尾百合子
文字を読んだ時、その文の骨、言葉の形からその人の人間性や育った文化なんかが溶け出してきて!
七尾百合子
うふふふ……最後には自分が世界に溶け込んで行くのです。
ロコ
はあ、ロコはメルトアウェイするのはエヌジーなので遠慮します。
ロコ
でもユリコがマニアなのは分かりました。そんなユリコはどんなリーズンでトラベルを。
ロコ
って!ユリコもトラベラーだったんですか!ミートゥーミートゥー!ファーストトラベルフレンド!
七尾百合子
こちらこそよろしくお願いします。私はね、ある本を探しているのです。
ロコ
お、その語り口はスーパーレアブックとみました!
七尾百合子
ご明察、私が探しているのはその存在だけで世界の価値が揺らぐとされる、すなわち……
七尾百合子
神様が書いたとされる本です!
ロコ
はあ……。
七尾百合子
あれ、リアクション薄くないですか。神様ですよ神様。
ロコ
いやだってなんか良く聞きますし。神様。色んなことやってるなー、と。
七尾百合子
その本を読んだら最後、そのあまりの内容に狂ってしまうとされています!
ロコ
なんでそんなデンジャラスブック探してるんですか。
七尾百合子
……自分を見つける為、でしょうか。
ロコ
あ、なんかインタレストな予感!座してリッスン!
七尾百合子
先ほども申し上げた通り、本は他人の過去なのです。読む程に新しい自分になって行く。
七尾百合子
ですが、そもそも自分とは何なのでしょうか。何をもって自分と呼ぶのか。
七尾百合子
私はこう思います。自分とは、経験から感受した世界の平均なのですよ。生きる程に一般化していく
七尾百合子
文字を通さず感じた世界は、己のフィルターを通してしか理解できません。
七尾百合子
こうして文と言う他に触れなければ、私はどんどん人混みに紛れていってしまう……
七尾百合子
つまり!読書とは、私が本来の私になり、世間一般から遠ざかる為の唯一の手段なのです!
七尾百合子
もともと本なんて、人を狂わせる為に書いて、狂う為に読むのですよ。それをつまらぬ人は有害とか
ロコ
あのあの!ってことは、ユリコのゴールは結局何なんですか?
七尾百合子
……そうですね、世界を知って本当に自分になって、そして死んで完成してから、私という完璧な、
七尾百合子
本になりたいです。
(台詞数: 50)