二階堂千鶴
……最初は小さな見栄だった。
二階堂千鶴
大学で入ったサークルにて行われた新入生歓迎BBQ、店から貰って来たお高い肉を持ち込んだ……
二階堂千鶴
『凄い旨いなこの肉!』『こんなにいっぱい持ってこれるなんて二階堂さんってお金持ちー!』
二階堂千鶴
良い気分だった私は思わずそうだと言ってしまった、凄いセレブのお嬢様なのだと……
二階堂千鶴
……今から思えばすぐに訂正すれば良かったのだろう、実家が肉屋だから安く買えただけだと……
二階堂千鶴
でも私は皆が賞賛してくれる事に舞い上がって嘘をつき続ける事を選んだ……
二階堂千鶴
嘘に綻びが出るとそれをさらなる嘘で塗り固め、その嘘に綻びが出たらまた嘘で塗り固める……
二階堂千鶴
気づけば私自身でさえもどこまで嘘をついたかわからない程に分厚い嘘の仮面ができていた……
二階堂千鶴
今では殆ど機械的に綻びを嘘で塗り固め、仮面が崩れない様必死で支えるの日々……
二階堂千鶴
セレブキャラとして全国デビューまでしてしまった今、最早仮面を外す事は許されない……
二階堂千鶴
私は必死で仮面を塗り固めながら優雅に踊るフリを続ける道化師
二階堂千鶴
私自身でさえ思い出せない仮面の下の素顔はさぞや醜くなっている事だろう……ん?
ロコ
ふー、そろそろクリエイトもコンプリートですね、筆をウォッシュしとかないと……
二階堂千鶴
あーもうコロちゃん……髪に絵の具がいっぱいついてますよ?早く落とさないと……
ロコ
あっ、言われて見れば確かに……片付けが終わったら髪をウォッシュしとかないと……
二階堂千鶴
コロちゃんは片付けるって言ってからアートの微調整とか言って長々悩んでるでしょう?
二階堂千鶴
そんな事している間に絵の具が固まっちゃいますから今洗いますよ、洗面台に背中を向けて……
ロコ
もー、ロコはチャイルドじゃないんですから髪くらい自分でウォッシュできますって……
二階堂千鶴
自分で子供じゃないと言ってる内はまだまだお子様ですよ……はい、綺麗になりましたわ!
ロコ
……ありがとうチヅル!お礼に最高のアートを仕上げますからね?
二階堂千鶴
最高のアート……コロちゃんの無垢な心は私のような穢れた心には眩しすぎ……?
中谷育
よしっ!オムライスもできたから次はサラダを……
二階堂千鶴
ちょっと育!スープの鍋が吹きこぼれてますよ!早く火を消しなさい!
中谷育
あ、本当だ……ありがとう千鶴さん……
二階堂千鶴
もう、お料理をする時は大人に見てもらわないとダメですよ?わたくしが見てあげますから…
中谷育
あっ、ダメだよ!千鶴さんには見て貰ったらダメなの……
二階堂千鶴
わたくしに見てもらうのはダメ?……ああ、そう言う……
二階堂千鶴
でしたら控え室に風花がいたはずですから彼女に見てもらいなさいな。
中谷育
わかった!それじゃあ呼んで来るね……
二階堂千鶴
お、お待ちなさい!キッチンを離れる時は火を止めないと……
二階堂千鶴
ふぅ、行っていまいましたね……これはわたくしへの誕生日用料理ですか……
二階堂千鶴
私も嘘の仮面ではなく本当の顔で彼女達と向き合える時が来るのでしょうか……ん?
二階堂千鶴
電話ですね……ええ、ええ……振込みは今日までですよ…あの銀行なら講義の間に行けるはずです…
二階堂千鶴
あっ、あなたゆうちょの口座を持ってましたよね?振替なら手数料0だからそっちの方が得ですわ!
二階堂千鶴
いやいや、これくらいは節約の……セレブの常識ですからね……おーっほっほっほっ!
(台詞数: 35)