少女は気が付いた
BGM
透明なプロローグ
脚本家
なかやま
投稿日時
2017-10-30 02:39:35

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七尾百合子
学校の裏門へ向かう道
七尾百合子
その左手に講堂が見える
七尾百合子
いつもの見なれた風景
七尾百合子
と思いきや、今日は
七尾百合子
・・・
七尾百合子
・・・テント?
七尾百合子
キャンプで使うそれよりも大きく
七尾百合子
古びた布を継ぎ合わせたような
七尾百合子
それでいて周囲を彩るペンキの色は鮮やかで真新しい
七尾百合子
サーカス・・・でも来てるのかな?
七尾百合子
にしては小さいような
七尾百合子
そもそもこんな学校に?こんなところで?
七尾百合子
周りの人は、私と同じく気になって立ち止まる人もいれば
七尾百合子
気づいているのかいないのか、そのまま通りすぎる人も多い
七尾百合子
・・・
七尾百合子
立ち止まっている人と、そうでない人の違いがわかった
七尾百合子
このテントを気にしている生徒の校章の色は緑
七尾百合子
つまり、私と同じ1年生ばかり
七尾百合子
一方上級生は、この非日常をスルーしていく
七尾百合子
つまり、先輩達はこのテントが何なのか知っている
七尾百合子
私たちが知らないだけで、定期的に現れる何か
七尾百合子
季節はそう、この秋の恒例イベント
七尾百合子
そこから導き出される答えは一つ!
七尾百合子
・・・
七尾百合子
・・・や、やきいも
七尾百合子
秋と言えば実りの秋!実りの秋と言えば焼き芋!
七尾百合子
しかし、焼き芋を校内で焼こうとすると煙でバレてしまう
七尾百合子
それに、女子としては焼き芋を食べたいけども食べているところを人には見られたくない
七尾百合子
そんな乙女心も考慮してテント一つでまるっと解決
七尾百合子
これで人目を気にせず、お芋を思いっきり頬ばれると大好評
七尾百合子
と思いきや、その芋が全然美味しくない
七尾百合子
それを知ってる上級生達は、このテントに見向きもせず立ち去っていく
七尾百合子
あぁ、誰か美味しいお芋の選び方を教えてあげて
七尾百合子
・・・うん
七尾百合子
我ながら名推理!
七尾百合子
いや、待てよ!あんなテントの中で焼き芋なんかしたら煙が充満して大変
七尾百合子
もっと煙の少ないもの・・・
七尾百合子
栗ご飯・・・
七尾百合子
松茸ご飯・・・
七尾百合子
ま、まさかキングオブ秋の味覚であるMATUTAKE!?
七尾百合子
場合によっては1本数万円で取引されるというキノコの王様!
七尾百合子
そんな高級食材が取引されているなんて
七尾百合子
きっと、裏稼業の闇取り引きが行われているに違いない・・・
七尾百合子
・・・あ、中から人が出てきた
七尾百合子
金髪でスタイルのいい女の人だ
七尾百合子
あ、こっちに来る!まさか、秘密を知ってしまった私は拉致監禁されて
七尾百合子
あんなことや、こんなことをされた挙句、外国に売り飛されるんじゃ・・・
七尾百合子
えぇ!私ですか!いえ、何も知りません!何も見てません!
七尾百合子
・・・え?チラシ?
七尾百合子
・・・演劇部定期公演『銀河鉄道の昼』・・・

(台詞数: 50)