高坂海美
いた。デストルドー!
北沢志保
あら。何か用?
高坂海美
…全部思い出したよ。私が見た夢、その内容を全部。何のつもりだったの?
北沢志保
……そう。ご苦労様、思ったより早かったわね。
高坂海美
一体何の真似よ。夢の中まで私を苦しめようってワケ?言っとくけどね、私はそんな事されたって…
北沢志保
説明するより実践した方が早いわね。来なさい、百合子。
高坂海美
………!
七尾百合子
はい。お呼びデショウカ?
北沢志保
デストルドーの名において命じるわ。この女を殺しなさい。
高坂海美
百合子!お願い、目を覚まして。私達は仲間だったでしょう?
北沢志保
無駄よ。この女は最早私達の操り人形に過ぎないわ。さあ、答えが知りたければ戦いなさい。
七尾百合子
シネ…!
高坂海美
くっ。こんなの、こんなのって…
北沢志保
どうしたの?さあほら、頑張って。答えが知りたいんでしょう?
高坂海美
くっ…くそぉぉぉぉっ!
七尾百合子
がッ!?
七尾百合子
……
北沢志保
…見事ね。堕ちたとはいえかつて最強と謳われたマイティーセーラーを一撃で倒すだなんて。
高坂海美
百合子、そんな…闇の力に支配されてしまうと、ここまで弱くなるものなの?
北沢志保
違うわ。貴女が強くなったのよ。
高坂海美
え?
北沢志保
デストルドー秘儀、千年の夢。いくつもの夢の世界を旅し、現世に於ける強さを身につける。
北沢志保
おめでとう。貴女はそれに成功したのよ。
高坂海美
ど、どういう事よ。何で私を強くさせる必要があるわけ?
高坂海美
いや、それよりも。夢の世界で負け続けた私が、どうして強くなるのよ?
北沢志保
分からない?耳を傾けてご覧なさい、貴女が敗れ去った後の世界の事を。
高坂海美
私が敗れた世界、ですって?そんなのどうやって見ろって言うの…
高坂海美
(海美、ごめんなさい。貴女の無念は必ずこのわたくしが晴らしますわ。)
高坂海美
千鶴さんの声!?そうだ、魔女と戦った時。千鶴さんは助けに来てくれたけど間に合わなくて…
高坂海美
(貴女には感謝します、私は強くなりました)(ごめん、海美。必ず幸せになるから…)
高坂海美
これ、は…
北沢志保
そう。たとえ負けたとしても、貴女の思いを継ぐ者が、必ず貴女のやり残した事をやり遂げる。
北沢志保
そして、その想いを受け取った貴女は、この世界でもっともっと強くなっていくの。
北沢志保
貴女に対する夢の世界の住人の想いが、貴女を成長させていく糧となる…美しいでしょう?
北沢志保
正直ほっとしてるわ。貴女の前にこの秘儀を試したこの女は、完全に失敗したんだもの。
高坂海美
まさか、百合子が闇の力に捕らわれたのは…
北沢志保
ええ、夢の世界で負け続ける事に耐えきれなかったからよ。最強が聞いて呆れるわ。
高坂海美
……何の為に、こんな事をしたの。貴女達にとって敵である私に、何の為に。
北沢志保
敵?あはは、敵ですって?
北沢志保
驚いたわ。貴女まだ理解してなかったのね。マイティーセーラーがどういう存在なのか。
高坂海美
何?
北沢志保
教えてあげる。貴女達、マイティーセーラーはね…
七尾百合子
グ。駄目、それダケハ、教えナイデ…
高坂海美
百合子!?貴女もしかして、元に戻ったんじゃ…
北沢志保
何よ、うるさいわね。もうあなたに用はないの、黙ってなさい。
北沢志保
ようく聞きなさい、マイティーセーラー?貴女達マイティーセーラーズはね…
七尾百合子
駄目。海美さん、聞いちゃ、駄目…
北沢志保
私達デストルドーが作り上げた、正義の怪人なのよ。
北沢志保
(続く)
(台詞数: 49)