東雲のアンティークショップにて
BGM
月のほとりで
脚本家
親衛隊
投稿日時
2017-09-25 00:52:22

脚本家コメント
シリーズものです。遂にクライマックスと相成りました。ありがとうございました。
嘘です。

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天空橋朋花
7年も──。
高山紗代子
はいっ。
天空橋朋花
そうですか。それは驚きましたね。
高山紗代子
あまり驚いているようには見えませんね。
天空橋朋花
申し訳ありません。昔から感情を表すのは苦手でして。
高山紗代子
いえいえ、店主さんは凄いです。まるで“本物の人間のように”お話ができるんですから。
天空橋朋花
……。
高山紗代子
ようやく、ですね。
高山紗代子
あなたとお話できる日をずっと心待ちにしてました。
天空橋朋花
本当に変わった御方ですね、あなたは。
高山紗代子
そうですか?
天空橋朋花
ええ、多大な時間を浪費してまで私などに構うのですから。
高山紗代子
浪費なんて考えたこともありません。私は好きでやってるんです。
天空橋朋花
その直向きさは……少々プレッシャーですね。
高山紗代子
なぜです?
天空橋朋花
それだけの期待に、応えなければいけないからです。
高山紗代子
……。
高山紗代子
うふふ。
高山紗代子
安心してください。店主さんはもう、十分に応えてくれました。
高山紗代子
初めて出会ったあの日、店主さんは夢を叶えてくれたんですよ?
高山紗代子
1人の、女の子の夢を──。
高山紗代子
それって、とても凄いことなんです。
高山紗代子
それに膝枕までしてしまって……。私の方こそ何かプレゼントをしなければなりませんね。
天空橋朋花
膝枕……。
天空橋朋花
そうでした……。私に触れていたのでしたね。
天空橋朋花
……知ってしまいましたか? 私のこと。
高山紗代子
……? ええ、それはもう。
天空橋朋花
……冷たいでしょう? まるで氷のように。
高山紗代子
最初は冷たくても、触れていれば温かくなります。
天空橋朋花
……。
高山紗代子
私は、あなたが何であろうと決して拒絶したりはしません。
高山紗代子
だから、私のことをもっと信用して……好きになってくれたら嬉しいな。
天空橋朋花
紗代子さん……。
高山紗代子
もし好きになってくれなかったら泣きます。
天空橋朋花
はあ……。
高山紗代子
7年前、握手を拒まれて泣きそうになったのは秘密です。
天空橋朋花
あれは……踏み切れなかったのです。
天空橋朋花
手を差し出して頂いた瞬間、過去の記憶が一遍に蘇ってしまい……。申し訳ありません。
高山紗代子
いいんです。これからは前を見て、一緒に歩んでいきましょう?
高山紗代子
可愛くて綺麗なアンティークの皆や店主さん、そこに私も仲間に加えてくれると嬉しいです。
天空橋朋花
──違いますよ。
天空橋朋花
私は、あなたが思い描くような綺麗なものではありません。
高山紗代子
謙遜を──。
天空橋朋花
紗代子さん。やはりまだ、ご存知ないようですね。
天空橋朋花
あなたは、私をアンティークドールだとお思いでしょうが……
天空橋朋花
残念ながら私は、この子たちと“根本的に違うもの”なのです。
高山紗代子
それはどういう……。
天空橋朋花
……さて、つかぬことをお訊きしますが。
天空橋朋花
“死体”は──お好きですか?

(台詞数: 49)