七尾百合子
「ちょっとPさん!何なんですかあれは!?」
黒井社長
『面白かったろ?これでバッチリだ。』
七尾百合子
「何がバッチリなんですか!?あ、あああああんなもの流すなんて…」
七尾百合子
「私、もう外に出れないじゃないですか!?」
黒井社長
『今まで出てなかったじゃないか。』
七尾百合子
「それはそうですけど…あぅ……」
七尾百合子
もう最悪だ…。たしかに外には出てないけど、私の恥ずかしい映像を全国に流されたのだ。
七尾百合子
そもそもこんなことをして何の意味があったのだ?私には理解できなかった。
黒井社長
『黙ってやったのは悪かった。だが、効果があったのは確かだぞ。』
七尾百合子
そういうと、Pはパソコン?というものの画面を私に見せてきた。
七尾百合子
【突如現れた謎の美少女】
七尾百合子
【今話題沸騰中の吸血鬼アイドル】
七尾百合子
【ただ可愛いだけじゃない!歌声も素敵な期待の吸血鬼アイドル現る!】
七尾百合子
「えっ…なにこれ?それに歌って…?」
黒井社長
『放送を最後まで聞いてなかったのか?』
七尾百合子
当たり前だ。あんなものを流されたらすぐに消すに決まっている。
七尾百合子
「もしかして…きゅんパイアも流したんですか?」
七尾百合子
きゅんパイア…きゅんっ!バンパイアガールの略である。私のデビュー曲にするものだ。
黒井社長
『いや、それは流してない。』
七尾百合子
それじゃない?じゃあ一体何の曲を…
七尾百合子
「……もしかして、【瞳の中のシリウス】ですか?」
七尾百合子
瞳の中のシリウス…これは私が小さい時から歌ってきた大好きな曲だった
七尾百合子
もう何年も歌ってなかったが、少し前に久しぶりに歌ってみたのだ。
七尾百合子
まさかそれまで撮られていたとは…
黒井社長
『私も好きな曲だったのでつい……ね。』
七尾百合子
まあやってしまったことはしょうがない。今更過去に戻って取り消すことなどできないのだから。
黒井社長
『それはそれとして、アイドルとして初仕事を取ってきたぞ。』
黒井社長
『あの反響が強くてな、是非出てほしいと頼まれたんだ。』
七尾百合子
あれで本当に効果があるとは思わなかった。このPさん…一体何者なんだろう?
黒井社長
『新人アイドルNo.1決定戦っていう新人にとって大舞台の企画なんだがな…』
七尾百合子
しかもいきなりの大舞台…もしかして、私もってる?
黒井社長
『といっても急なオファーだったから練習時間はあまりないが、まあ大丈夫だろ。』
七尾百合子
この流れならいけるのではないか?
七尾百合子
「ふふふ、当たり前だろ!我を誰だと思っている!誇り高き吸血鬼ユリだぞ!」
七尾百合子
もう何が来ても怖くない。だって、あんなに恥ずかしい思いもしたのだから!
黒井社長
『そうか。じゃあ明日は頑張れよ。』
七尾百合子
新人アイドルNo.1決定戦…これでトップになれば私だって……
七尾百合子
………。
七尾百合子
「明日あぁぁぁあぁあああ!!!??」
(台詞数: 39)