七尾百合子
「(バタン)ふぅ…今日は色々あって疲れちゃった…」
七尾百合子
無理もない。食事にしようと思ったらいきなりの来訪者。そして突然のアイドルになろう宣言。
七尾百合子
訳が分からないことだらけだった。
七尾百合子
「でも、なんだろう…この気持ちは…」
七尾百合子
「本当に、何年振りなんだろう…このわくわく感は…」
七尾百合子
やると言った以上は手を抜かない。それが私のポリシーだからだ。
七尾百合子
だけど、アイドルなんてやったことないし大丈夫だろうか。
七尾百合子
それに……
七尾百合子
色々と考えたりしたが、私はすぐに考えるのをやめた。
七尾百合子
こればっかりはやってみなければわからない。
七尾百合子
まぁなんとかなるだろう。そう思いながら私は眠りについた。
七尾百合子
そして次の日
黒井社長
『おはよう。よく眠れたか?』
七尾百合子
このPと名乗る人物。なぜか私の家に居候することになった。
七尾百合子
私は断ったのだがほぼ強引にといってもいいだろう。
七尾百合子
全く…吸血鬼とはいえ私だって女の子だっていうのに…
七尾百合子
朝の食事を終え、さっそく準備に取り掛かる。
黒井社長
『アイドルは第一印象が大事だからな。まずは自己紹介をしてみよう。』
七尾百合子
カメラが設置してある。意外と本格的だ。
七尾百合子
私はふぅっと深呼吸をし、自己紹介をする…
七尾百合子
はずだったが…
七尾百合子
「わ、わわわわた、わたしは、えっと…あの…」
七尾百合子
頭の中が真っ白になった。
七尾百合子
当然といえば当然だ。なぜなら私は極度のあがり症でもある。
七尾百合子
カメラとPしかいないとはいえこれでは先が思いやられる。
七尾百合子
「はぅ……恥ずかしいよぅ///」
七尾百合子
私は手で顔を覆って座り込んでしまった。
黒井社長
『はっはっはっはっは!』
七尾百合子
Pが突如笑い始めた。
七尾百合子
昨日の私とのやり取りからギャップを感じたのだろう。でも、なんか悔しい。
七尾百合子
「な、何がおかしいんですか!?言っておくけどこれだって…」
黒井社長
『初対面だったはずの私と話せたのはどうしてなのかな?』
七尾百合子
言われてみればそうだ。あの時はどうしてあんなに強気でいられたんだろう。
七尾百合子
……そうだ、あの時は隙を見せないように強気でいこうと思っていたんだ。
七尾百合子
他にもPとはなぜか話しやすかったとかあったかもしれないが強気でいけばなんとかなるかも。
七尾百合子
私は吸血鬼、決して相手に隙を見せたりしない。カメラにだって…
七尾百合子
「我は吸血鬼ユリ!理由あってアイドルをやることになった!」
七尾百合子
「目指すはトップ、これからの我の活躍に期待しゅるがいい!」
七尾百合子
「……い、いい今のはわざと噛んだだけですから///」
七尾百合子
「本当ですから!わざとですからね!!!あぅ…///」
七尾百合子
これも撮り直しだ。今度は嚙まないようにしないと
黒井社長
『中々良いものが撮れたじゃないか。さすがユリだ』
七尾百合子
「これでいくの!?恥ずかしいんですけど!」
七尾百合子
私がいくら文句を言ったところでPは聞く耳を持ってくれない。
七尾百合子
これがアイドルになることなのか…先が思いやられるな。
黒井社長
『次は歌だ。ユリにぴったりの曲を用意してあるからな』
七尾百合子
やってしまったものはしょうがない。歌を歌って切り替えよう。
七尾百合子
「……でもやっぱり恥ずかしいでしゅ///」
(台詞数: 48)