七尾百合子
一体何者なんだこの人は…私を見つけた?何を言って…
七尾百合子
まさか……噂でしか聞いたことがなかったが吸血鬼ハンターってやつなの?
七尾百合子
吸血鬼ハンター…吸血鬼を捉えるという人たちのこという。
七尾百合子
捕まった吸血鬼はどこかの施設に連れていかれ実験台にされると聞いたことがある。
七尾百合子
いくら希望を失った私でもそれだけは御免だ。
七尾百合子
隙を見せたらダメ…ここは慎重にいこう…。
七尾百合子
「人間か……我に何の用だ。」
七尾百合子
「ここは我にとって神聖な領域…貴様ごときが踏み入れてはならん場所だぞ」
七尾百合子
よし、掴みはオッケー。後は上手く怯んでくれればいいが…
黒井社長
『吸血鬼ハンター…か。もしそうだと言ったらお前はどうする?』
七尾百合子
そう都合良く引き下がってはくれないか…ならもう少し威嚇して…
七尾百合子
「我は穏便に済ませたいのでな。大人しくお引き取り願おうか。」
七尾百合子
「それでも引かないというならば……」
七尾百合子
「貴様の血を一滴も残らずに吸いちゅくしてやる!!!」
黒井社長
『………。』
七尾百合子
やってしまったああああ!!!肝心なとこで噛んでしまうとは威厳もあったもんじゃない。
黒井社長
『ふふ…ははは……あははははは!!!』
七尾百合子
「何がおかしい?言っておくがあれはわざと嚙んだのだからな!」
黒井社長
『いや、失礼。私は吸血鬼ハンターではない。といっても信じてはもらえないだろうな。』
七尾百合子
そういうとこの人はその場で座り込んだ。
黒井社長
『君が望むなら私を好きにするがいい。もっとも君はそんなことするような人ではないはずだがね』
七尾百合子
どういうことだ?それに私のことを知っているような口ぶり…
七尾百合子
「敵意がないなら別に構わない。我に何の用だ。」
黒井社長
『君を助けに来た。』
七尾百合子
……この人は一体何なんだ?急に来て助けに来たとかふざけているのか?
黒井社長
『いや、助けに来たというより君の願いを叶えに来たと言ったほうがいいか。』
七尾百合子
訳が分からなかった。この人は一体何がしたいんだ?
七尾百合子
だけど…どうしてだ。この人からは悪意を全く感じない。それに…
七尾百合子
「貴様、もしかしてラベンダーの香水を持ってるな。」
七尾百合子
ラベンダー…私の心を落ち着かせてくれる私の一番好きな香りだ。
黒井社長
『さすが、相変わらず鼻が利くようで。』
七尾百合子
私は確信した。どうやらこの人は私のことを知っているらしい。
七尾百合子
私の好きな香り。鼻が利くこと。そして、私が平和主義なこと。
七尾百合子
どこで知ったかはわからないがこの人を野放しにしておくには危険な気がしてきた。
七尾百合子
「いいだろう。何を企んでいるかは知らないが、その誘いに乗ってやろうじゃないか。」
七尾百合子
どうせ一人でいても退屈なだけだ。それにこの人の言っていることが本当かどうか確かめたい。
七尾百合子
ふふっ、何年ぶりだろうか。何かに興味を持つということは…
七尾百合子
「ところで、名はなんていうのだ?」
黒井社長
『名乗るほどのものではないが…そうだな、Pとでも名乗っておこうか』
黒井社長
『一応君の名前も聞いておこうか。』
七尾百合子
「私は…自分の名は忘れてしまった…。好きに呼ぶといい。どうせ知っているのだろう。」
黒井社長
『では君のことを……』
黒井社長
『………。』
黒井社長
『いや、ユリと呼ばせてもらおうか。』
七尾百合子
一瞬言葉を飲み込んだのは気のせいだろうか。まぁそんなことどうでもいい。
黒井社長
『では早速だが、君の願いを叶えるためにユリにはアイドルになってもらおうと思っている。』
七尾百合子
確かに願いなんてそうそう簡単に叶うものじゃない。それなりの苦労が……
七尾百合子
「アイドルぅぅぅうう!!??」
(台詞数: 48)