七尾百合子
じー……
七尾百合子
ねーちょっと、後輩君さー。なんでさっきから目を合わせてくれないの?
七尾百合子
あれでしょ、この先輩めんどくさーとか、思ってるでしょ
七尾百合子
お姉さんは悲しい!悲しいなー!
七尾百合子
唯一の男子である君が、全然心を開いてくれないんだもの!!
七尾百合子
じゃあ、心を開いている証拠を見せて
七尾百合子
ほほー、そう来たか。気持ちよーく話をさせて、逃げ切ろうってわけね
七尾百合子
話してもいいけど、後輩君も特製ジュース飲んで
七尾百合子
後輩君だけすまし顔なんてずるいもの
七尾百合子
ほら、ほらほらー
七尾百合子
おー!ほれぼれする飲みっぷり!
七尾百合子
んふふ、じゃ、約束通りちゃーんとお話してあげる
七尾百合子
今からちょっと、昔の話を、ね
七尾百合子
後輩君、失礼だとは思うけど、横になってもいい?
七尾百合子
あー、楽だー。ごめんね後輩君、こんなかっこで
七尾百合子
それで、昔の話をすればいいんだっけ
七尾百合子
そうねー。ほんと、一言では言えないくらい、いろんなことがあったの
七尾百合子
私の場合、765プロと初めて関係を持ったのは
七尾百合子
うん、そう……とあるバス停
七尾百合子
バスに間に合わなくて遅刻しちゃいそうなときに
七尾百合子
765プロのアイドルのひとりに出会った
七尾百合子
ふふ。あれは印象的だったなあ
七尾百合子
それからあれよあれよという間に入所してて
七尾百合子
なんかそういうキャラっぽいっていう、すさまじくいい加減な理由で
七尾百合子
社長に、文学少女アイドルに任命された。ま、ちょっと誇らしくもあったけどね
七尾百合子
それからいろいろあった。シアターを軌道に乗せたいって一心で
七尾百合子
まさしく東奔西走したわ
七尾百合子
あっちでシアターメンバーを勧誘し、こっちでお仕事の確保に動き回り
七尾百合子
西でトラブルが起きれば行って解決し、東で悪質な事務所があれば実力で認めさせたわ
七尾百合子
……たくさんいろんなことがあって、一年が過ぎて
七尾百合子
この場所で、決起集会を開いた
七尾百合子
今年はできないって思ってた
七尾百合子
諦めてたよ、私
七尾百合子
だから、思い出そうとさえしなかったんだと思う
七尾百合子
思い出すと、悲しいばっかりだから
七尾百合子
でも後輩の皆は……君は諦めなかったんだよね
七尾百合子
冗談じゃなくて感謝しているの
七尾百合子
後輩の皆にいろいろ教えてもらった気分
七尾百合子
765プロに入ったばかりの私に言っても、とても信じないだろうなー
七尾百合子
こんなにたくさんのアイドルがいて、こんなに頼れる仲間がいるなんて
七尾百合子
だって私、入ったばかりの頃はさ
七尾百合子
ダメだこの事務所、明日つぶれてもおかしくない、とか思ってたもの
七尾百合子
うん……いろいろあった。ほんとに
七尾百合子
それでさ、今はまだ無理だけど
七尾百合子
これからのいろいろを、君や君達と作って行きたいって私は思ってるよ
七尾百合子
改めて、これからよろしくね、後輩君
(台詞数: 46)