歩き読書は危険です。やめましょう
BGM
STANDING ALIVE
脚本家
不明
投稿日時
2017-03-18 22:53:50

脚本家コメント
はぴば

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七尾百合子
…てくてく、ぺら
七尾百合子
…なんだか親近感湧いちゃうな、この勇者
矢吹可奈
『ぐすん、またスライムに負けちゃった…。私、本当に選ばれた勇者なのかな…?』
北沢志保
『…伝説の剣を抜いたからにはそのはずだけど、一応恐らく多分きっと…』
矢吹可奈
『すっこぐ自信なさげじゃん!』
七尾百合子
…このダメさ加減は、物語終盤にかけての成長を際立たせるための前フリと見た!
北沢志保
『きゃあっ!どうしてこんな町中にオークが!?』
矢吹可奈
『助けに来たよ、シホ姫!伝説の剣アタ〜ック!』
矢吹可奈
『…あれ?間違えた、これ、出刃包丁だ』
七尾百合子
伝説の剣、出刃包丁みたいな形してるの…?
北沢志保
『あまりに勇者が頼りないから、自衛の為に剣術を習うことにしたわ』
北沢志保
『10000000年に一人の才能だと近衛隊長から褒められちゃった』
矢吹可奈
『じゃあ、この勇者カナがその実力を試してあげよう!』
北沢志保
『やあっ』
矢吹可奈
『ぎゃふん!』
北沢志保
『…私の圧勝ね。この伝説の剣はもらっていくわ。そもそも、あなたには相応しくなかったのよ』
矢吹可奈
『そ、そんな横暴な!』
北沢志保
『…さよなら、弱虫の勇者さん。これで今日からあなたはただの村人よ。魔王は私に任せなさい』
矢吹可奈
『うぅ、姫のイジワル…』
七尾百合子
…不器用な姫だなぁ。勇者に傷ついて欲しくないんだろうけど
矢吹可奈
『ええっ、シホ姫が魔王軍の将軍として国境に攻め込んで来てるって!?』
矢吹可奈
『…あのシホ姫が、魔王に懐柔された?ううん、きっと洗脳されたんだ…!』
矢吹可奈
『…』
矢吹可奈
『でも、姫より弱い私が助けに行っても仕方ないよね。今日もいつも通りパチンコ行こーっと』
七尾百合子
なんでやねんっ!そこは何とかして姫の元へ向かおうとするところでしょう!
矢吹可奈
『いやだって、スライムにさえ勝てないんだよ?国境なんてたどり着けるわけないし…』
七尾百合子
そこを主人公パワーで何とかするんじゃないの!?
矢吹可奈
『そんな超展開の作品もう飽きたでしょ?だからここは現実的に』
七尾百合子
諦めの早さに関しては、全然現実的じゃないから!
矢吹可奈
『…じゃあ、あなたは友だちがヤクザになったとして、目を覚ませって組に怒鳴り込みに行ける?』
七尾百合子
…それは
矢吹可奈
『難しいでしょ?悲しいけど、私の選択は百点満点で現実的だよ』
七尾百合子
…でも、
七尾百合子
現実的なことだけが、現実になるわけじゃないでしょ?だから、お願い…勇者カナ
七尾百合子
…あなたには、理想を選んでほしい。私の代わりに
矢吹可奈
『…虫のいい話だね』
矢吹可奈
『でも、読者の頼みなら仕方ないか。いいよ、シホ姫に会いに行こうとしてみるよ』
矢吹可奈
『ただし。私が理想を選ぶからには、あなたも、いつかのその時には…そっちを選んでね』
矢吹可奈
『約束だよ』
七尾百合子
…分かった、約束するよ
矢吹可奈
『じゃあ、張り切って主人公しちゃいますか!待っててね、愛しのシホ姫!』
七尾百合子
よおし、これで物語はいよいよクライマッ
七尾百合子
きゃあ、危ないっ!
七尾百合子
ひ、轢かれるところだった…。って、あれ…?さっき開いてたページが、どこにもない…
七尾百合子
七尾百合子
…パタン
七尾百合子
約束、守んなきゃだもんね。理想を選んでいくって。まずは…
七尾百合子
どれだけ読みたくても、歩き読書は迷惑だから二度としない…!
七尾百合子
…うう、理想を選ぶのって、大変だなあ

(台詞数: 49)