永吉昴
ほら、こっち見てみようぜ!
七尾百合子
ちょ、ちょっと待ってくださいよ昴さん!
永吉昴
……おー、この銅像は……
七尾百合子
……ん?何です?
永吉昴
……ふむ。なるほど。
七尾百合子
あ、今、む……バストのサイズを比較しました?何がなるほど何ですか!
永吉昴
なんでこう、銅像っての裸が多いんだ?
七尾百合子
まぁそれは、芸術ですから
永吉昴
その芸術ってさ、なんか
永吉昴
え、エロいよな?
七尾百合子
な!何言ってるんですか!
七尾百合子
まぁでも確かに、そういう目で見ちゃうと……目のやり場に困る作品もありますけど
永吉昴
だろ?
永吉昴
この銅像の女の子だって……
永吉昴
あ、この子こっちから見ると百合子そっくり
七尾百合子
えぇ?全然!全然似てないですよ!
永吉昴
ほら、ここがクイッってなってる感じがさ!
七尾百合子
クイッてなんですか!クイッって!
永吉昴
この百合子の像のタイトルなんだけど
七尾百合子
変な呼び方しないでください
永吉昴
「パンドラの箱」……ってなんだ?
七尾百合子
パンドラの箱。災いの詰まった箱です。
永吉昴
ビックリ箱みたいなものか!
七尾百合子
んー、なんか違うと思いますけど。開けちゃいけないと言われていたその箱を開けちゃうんです
永吉昴
誰が?
七尾百合子
パンドラです。
永吉昴
あ、パンドラって人の名前?
七尾百合子
で、世の中に様々な災いが広がって行ってしまったんです。
永吉昴
つまり、玉手箱のスゴイ版だな!
七尾百合子
あーうん、もうそれでいいです。
永吉昴
なんで百合子はこの玉手箱を開けたんだ?
七尾百合子
パンドラです!……まあ、好奇心に勝てなかったのでしょうか?
永吉昴
開けるなって言われたら余計に開けたくなるやつだな。わかるー。
七尾百合子
でも、箱の中に残ったものもあるんです
永吉昴
残ったもの……?
永吉昴
わかった賞味期限の切れた飴玉だ!
七尾百合子
いや、鞄の底から出でくるとかそういうんじゃないですから
七尾百合子
これは諸説あるんですけど……最後に残ったもの、それは
七尾百合子
希望です
永吉昴
希望か!
七尾百合子
きっと、この少女が伸ばした手の先。そこに一握りの希望だけが残ったのでしょう
七尾百合子
希望だけは離すまいと、必死に握り返そうとしている。そんな姿を表してるんじゃないでしょうか?
永吉昴
ふーん。……そう言われるとなんだか、苦しそうな、切なそうな顔してるような、エロい顔してんな
七尾百合子
その希望は本物かそれとも偽りの希望か
七尾百合子
って、昴さん。肩紐ズレてますよ。
永吉昴
あ、ホントだ。……よいしょっと
七尾百合子
時々昴さんも、目のやり場に困る
永吉昴
ヘヘ、悪い。教えてくれて、サンキュ
永吉昴
じゃあさ、次のやつ見に行こうぜ!
七尾百合子
あ、ちょっと!そんなに強く引っ張らないでー!
(台詞数: 50)