如月千早
『……千早ちゃん』
如月千早
(……ん)
如月千早
『……ちはや……ちゃん』
如月千早
(はる……か……?)
永吉昴
「おーい、千早ちゃーん♪」
如月千早
「…………」
永吉昴
「……お♪ 起きた?」
永吉昴
ちょうど、蹲踞に近い姿勢で千早を覗き見る悪戯な笑みを浮かべる昴。
如月千早
明らかに敵意を浮かべる千早とは、相対的だ。確認だが、彼女たちは、パートナーである。
如月千早
「……あなた……ね?」
永吉昴
「……ん? 何が?」
永吉昴
あくまでも相反する彼女たちの態度。そして……
如月千早
「あなたのせいで春香がぁ……!!」
永吉昴
「すとーっぷ♪」
永吉昴
舞う火花。寸手のところでーしかし体勢を崩すことなくー千早を制する。
如月千早
首に当てられた手刀に、くぐもった声を漏らす千早。今にも噛みつきそうな表情だ。
永吉昴
「【私】を殺したいほど憎んでるのは分かるけど、優先順位を間違えないでよ?」
如月千早
「…………」
如月千早
ゆっくりと手を降ろす。戦意が無いことを確認してから、昴も手をどける。
永吉昴
「間違えないでよ、私達はパートナーなんだからね」
如月千早
「……分かってる。だけど……」
永吉昴
「あー、はいはい! あなたの疑問にお答えしましょう」
永吉昴
大袈裟に両手を上げながら距離を置く。そして、静かに目をギラつかせて言い放つ。
永吉昴
「ご想像どおり、【私】は【私】よ。今回、あの子(昴)は、役に立たなくなっちゃった」
如月千早
「師匠から聞いた……もう1人の昴。危険な殺人鬼。春香を傷付けた……!」
如月千早
ギリっと、耳障りな音が聞こえてきそうなほどに顔を歪める。
永吉昴
「誰も殺してないよ~♪」
如月千早
「高槻さんまで手にかけようと……」
永吉昴
「はーい、そこまで。恨みつらみは後で聞くから。一つ確認していい?」
如月千早
「…………」
如月千早
沈黙は肯定だ。彼女も、半人前といえ意識は常にプロであろうとしている。
如月千早
拒否することは、プロとしての品格を下げる。
永吉昴
「今何時だか分かる?」
如月千早
「…………え? お昼を過ぎたくら……」
如月千早
周りを見渡して途中で言葉が詰まる。遠くから聞こえる夕鈴の音。
如月千早
「う……うそ」
永吉昴
「……何か覚えてる?」
如月千早
「…………」
如月千早
静かに焦点を合わせて彼女を見る。
永吉昴
「取られたわね……記憶を」
(台詞数: 40)