七尾百合子
この先にあるのは、一冊の本の終わりです。
七尾百合子
あなたという長い物語の終わりです。
七尾百合子
全てを出し切ったでしょうか?
七尾百合子
あなたが生み出した、多種多様な物語の住人達は今、この手の中に眠っています。
七尾百合子
後ろを振り返ってみてもいませんよ。
七尾百合子
だって、この本の中に収めたんですから…。
七尾百合子
あなたが見せたい世界を、見せることは出来ましたか?
七尾百合子
あなたの生み出した住人達に…
七尾百合子
そして、それを共有したいと思えた人達にです。
七尾百合子
この先に、貴方の見たい世界が広がっていると思いますか?
七尾百合子
ないですよね。
七尾百合子
この先に待ってるのは終わりですもんね。
七尾百合子
終わりが意味するものは…
七尾百合子
住人達との別れ。
七尾百合子
即ちそれは、住人たちの死に繋がります。
七尾百合子
それが嫌なんですよね。
七尾百合子
だから、貴方は筆を止めて、思い返して泣いている。
七尾百合子
でも、彼等は死にはしませんよ。
七尾百合子
この本の中で生き続けます。
七尾百合子
いえ、それだけじゃないです。
七尾百合子
誰かの心に融けて、その人の中で生き続けていくでしょうね。
七尾百合子
あなたはそういう物語を描いてきたんですから…
七尾百合子
自信を持ってください。
七尾百合子
この先に待っているのは500ページめ…
七尾百合子
あなたの最期の物語。
(台詞数: 25)